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エクストリームユーザーとは?調査方法と商品開発への活用事例を紹介

ライター:中島 孝介

公開日:2021年06月04日 | 更新日:2023年10月17日

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目次

商品開発に取り組む上で、市場調査は欠かせないプロセスの1つです。ユーザーの声を聞く重要性を感じながらも、実際に調査してみると当たり障りのない意見しか挙がってこない、すでに把握しているニーズしか判明しないといった悩みを抱えていませんか。

今回は、価値提供において重要なカギを握るエクストリームユーザーについて解説します。具体的な調査方法や商品開発への活用事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

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エクストリームユーザーとは

はじめに、エクストリームユーザーとはどのようなユーザーを指すのか、定義と具体例を確認しておきましょう。定義を正しく捉えることが、商品開発に活用するための第一歩です。

 

●エクストリームユーザーの定義

エクストリーム(extreme)とは「極端な」「徹底的な」という意味を表します。商品を市場に投下すると、大多数のユーザーは想定内の使い方をするでしょう。しかし、中には企業側が想定していなかった使い方をするユーザーが現れます。こうした層をエクストリームユーザーと呼んでいるのです。
エクストリームユーザーは、大きく2種類に分けられます。①企業側が想定していた以上の使い方をするポジティブなユーザーと、②想定を下回るネガティブなユーザーです。平均的・中心的な大多数のユーザーとは異なる行動を取っているという点で、両者ともエクストリームユーザーと定義されます。

エクストリームユーザーとは

注意点として、エクストリームユーザーは「利用頻度」や「購入金額」によって定義されるのではありません。利用頻度の高いユーザーや購入金額の多いユーザーが、必ずしも極端な使い方をしているとは限らないからです。ヘビーユーザーとエクストリームユーザーは異なる定義であることを押さえておく必要があります。

 

●エクストリームユーザーの例

エクストリームユーザーは、ポジティブ層とネガティブ層の種類があると説明しました。

次に、エクストリームユーザーは具体的にどのような行動をする人を指すのか、について紹介します。

 

①極端な行動パターンが見られるユーザー

行動の傾向が極端に偏っているユーザーを指します。

<例>
  • 自宅に家具を一切置かない人
  • 全ての持ち物を同じ色で統一している人

②極端なこだわりや問題意識が見られるユーザー

強いこだわりや問題意識にもとづいて購入する商品を選んでいることも、エクストリームユーザーの特徴です。

<例>
  • 歯ブラシや洗口液を何種類も使い分けている人
  • 精製された砂糖を一切摂取しないと決めている人

③極端な環境で利用しているユーザー

商品の使い方自体は平均的なユーザーと大きな違いはないが、使っている時の環境や状況が極端であればエクストリームユーザーといえます。

<例>
  • 半身浴をしている間だけタブレットを使う人
  • 海外出張が多いため、6種類の電源プラグを常に持ち歩いている人

エクストリームユーザーが求められる背景

エクストリームユーザーは大多数のユーザーとは異なる、いわば特殊なユーザー層です。では、なぜエクストリームユーザーに注目することが重要視されているのでしょうか。主に3つの理由が挙げられます。

 

①市場が飽和している

現代社会は市場にモノやサービスが溢れており、多くの消費者はすでに不自由のない暮らしを実現できています。重大な課題や困難を解決するために、どうしても商品やサービスが必要になる場面が減っているのです。平均的な消費者にアンケートやヒアリングを実施しても、「とくに困っていない」といった回答が大部分を占めるでしょう。新たな気づきを得るには、尖った意見を述べてくれるユーザーの存在が欠かせないのです。

 

②商品が「横並び」になりやすい

平均的なユーザー層のニーズを汲み取って商品開発に反映させると、どの企業の商品も似通ったものになりがちです。各社の商品が横並びになりやすいため、差別化が難しくなる要因となります。値下げに踏み切る以外に競争優位性を維持する方法がなくなり、市場全体が価格競争へと突入しかねないのです。革新的な商品やサービスを打ち出し、差別化を図るには極端な意見の中からヒントを得る必要があります。

 

③既存の枠組みに囚われない商品開発が求められている

商品開発に携わっていると、業界の常識や一般論を前提とした発想に陥りやすくなります。ノウハウの蓄積とアイデアの陳腐化は紙一重のため、革新的な商品やサービスを生み出すのであれば業界「外」から着想を得る必要があるでしょう。既存の枠組みに囚われない商品開発が求められている今、エクストリームユーザーは新鮮な気づきを与えてくれるのです。

 

エクストリームユーザーの見つけ方

エクストリームユーザーはかなり少ないですが、適切な方法をとれば、見つけることが可能です。

ネオマーケティングでは、以下の手順に沿って探すことを推奨します。

 

①アンケート調査

まずはアンケート調査で定量的な(数的データで表すことが出来る)調査を行い「そもそも商品Aのユーザーなのか」「使用頻度はどのくらいなのか」といった、最低条件をチェックします。
また、「あなたにとって商品Aはどのようなものか」といった質問をFA(自由回答記述)で聴取して、その中から普通とは異なる回答を探すのもオススメです。(エクストリームユーザーは、いわゆる普通とは異なる行動様式をとるため、選択肢の中から回答するのは適切ではないためです。)

アンケート調査に詳しい記事を読む

 

②インタビュー調査

次に、インタビュー調査を行い定性的な情報を収集します。ここで確認する事項は、「アンケート調査と発言に矛盾がないか」といった内容に加え、「アンケートで〇〇と回答していますが、それは何故ですか」のように、アンケートの回答を深堀りすることです。

インタビュー調査に詳しい記事を読む

 

少し手間はかかりますが、そもそもの前提を間違えてしまえば、最終的には誤った結論に辿り着く可能性があります。
定量調査でスクリーニングをかけ、定性調査で深堀りして確認する、という手順を適切に行っていけば、エクストリームユーザーを見つけることができるでしょう。

エクストリームユーザーを調査する目的

エクストリームユーザーを調査する目的は「インサイトを創造するため」です。
少し順番が前後しますが、前述した「エクストリームユーザーが求められる理由」で挙げた3つの項目をクリアするためには、インサイトを創造することが重要であると考えています。
そのインサイトを創造するヒントは、一般的なユーザーよりも行動様式が顕著に表れているエクストリームユーザーの方が見つけやすい、ということです。

エクストリームユーザーへの調査を実施することで、これまで見えてこなかった「0から1を生み出す」ためのヒント(=インサイト)が得られる可能性があります。エクストリームユーザーの存在は、商品開発に役立つヒントの宝庫といえるでしょう。

インサイトに詳しい記事を読む

エクストリームユーザーの調査方法

エクストリームユーザーを調査する目的が「インサイトを創造する」ことであることは紹介しましたが、そもそもインサイトとは、調査対象者自身も気づいていない、潜在ニーズよりも深層に位置するモノです。「あなたのインサイトは〇〇ですね?」と聞いたところで「はい、そうです」とはならないため、インタビュー調査では目的を達成することが非常に困難です。
(本人が気づいていないことは当然我々も知り得ないので、インサイトは「見つける」ではなく「創造する」と表現しています。)
少しでもインサイトに繋がるヒントを得るためには、調査対象者の言葉だけでなく、行動や環境も情報として知る必要があります。さらには、調査対象者がリラックスして問答できる環境で実施することが望ましいです。
以上を踏まえると、「エスノグラフィー(訪問観察調査)」が適切であると考えます。

 

●エスノグラフィー

エスノグラフィーとは調査対象の行動を観察する調査手法で「行動観察調査」「訪問観察調査」ともいいます。
具体的には、調査対象と同じ空間(調査対象者の自宅など)に調査実施者が入り込み、調査対象の行動や環境を観察したり、インタビューすを行います。

エスノグラフィーに詳しい記事を読む

 

ただでさえ「インサイトを創造する」ことは困難であるため、インサイトに繋がるヒントを少しでも見つけやすくするには、このエスノグラフィーが非常に有効です。
調査対象者の自宅に訪問することで、言語だけでなく、自宅での行動や周囲の環境が分かります。さらに、自宅でインタビューを行った場合、調査対象者はリラックスした状態で臨んでいただけるため、自宅で実施するのが良いでしょう。

エクストリームユーザーから始まる商品開発

ネオマーケティングでは、エクストリームユーザーから得た着想を、商品開発に活かすフレームワーク「インサイト・ドリブン」をサービスとして提供しています。「インサイト・ドリブン」は以下のフローで実施いたします。

  1. アンケート調査:エクストリームユーザー候補の抽出
  2. インタビュー調査:アンケート回答との整合性の確認や、深堀り
  3. エスノグラフィー:エクストリームユーザーの自宅へ訪問
  4. ワークショップ:エスノグラフィーを受けて、クライアントを交えて「インサイトを創造する」

また、以下の資料で分かりやすくまとめていますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。

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エクストリームユーザーを調査する際の懸念点

エクストリームユーザーを調査対象とする場合、いくつか想定される懸念点があります。調査を実施するにあたって、以下の懸念点をどのように解消するべきか、検討しておく必要があるでしょう。

 

●そもそもエクストリームユーザーが見つけられない

エクストリームユーザーは絶対数が少ないため、該当するユーザーを探し出すのは決して容易ではありません。自社でのリサーチが困難であれば、マーケティング会社に相談するなどの方法も検討することをおすすめします。

 

●社内の理解を得られない

繰り返しになりますが、エクストリームユーザー少数かつ極端なユーザーです。それ故、一部の極端なユーザーを参照ことに対して、社内の理解が得られないことが想定されます。調査の目的が顕在化している課題の解決ではなく、新鮮なアイデアの発見にあることを周知しておく必要があるでしょう。

 

エクストリームユーザーの活用事例

最後に、実際に弊社にてエクストリームユーザーの調査行い、商品開発に活用した事例を紹介します。

 

●株式会社セブン&アイ・ホールディングス様

  • 課題:様々なカテゴリーのブランディングを行っている中で、競合他社のPBと「同質化」している
  • 実施内容:ネットリサーチ、エスノグラフィー、ワークショップ
  • 結果:課題があったカテゴリーのリブランディングのヒントを得ることができ、商品開発に活用することができた

まとめ

商品・サービスを思いも寄らない方法で活用するのがエクストリームユーザーです。市場にモノやサービスが溢れている現代だからこそ、極端な意見がもたらしてくれる新たな着想は商品開発に活かせる可能性があります。

今回解説してきたポイントを参考に、ぜひエクストリームユーザーの意見を商品開発に取り入れてください。前例のない試みに不安を感じる事業者の方は、ネオマーケティングが商品開発をお手伝いいたします。エクストリームユーザーへの調査からコンセプト創造、プロトタイプ制作、検証まで一貫して実施可能なネオマーケティングのサービスを、ぜひご活用ください。

ネオマーケティングは国内約2450万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。

中島 孝介
WRITER
中島 孝介
リサーチ歴20年。主にメーカー、サービス事業会社向けにマーケティング課題から一緒に解決プランをつくるリサーチを実施。 2013年からデザイン思考を取り入れ、商品・サービス開発のサポートに携わる。2019年よりネオマーケティングに加入。デザイン思考セミナー講師/行動観察セミナー講師

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