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共感ドミノ現象「そう、それ!現象」を創る ~ブランド戦略の新たなアプローチ~

ライター:吉原慶

公開日:2024年02月05日

カテゴリー:
目次

近年、消費者とブランドとの関係が急速に変化しています。消費者はただ商品を購入するだけでなく、消費者自身が共感をできるブランドとの深い関係を求めています。このコラムでは、その関係構築に重要な役割を果たす“共感ドミノ現象”に焦点を当て、その効果的な6ステップとともに戦略をお伝えします。

共感ドミノ現象とは

共感ドミノ現象とは、消費者が製品やサービスに対して「そう、それ!」と感じ、その感情が次々と広がる現象です。この現象は、ブランドや製品が消費者の心に響く際に非常に重要な要素となります。
特に、消費者が製品やブランドを思い出す瞬間、いわゆる想起の段階で、その印象や位置づけが極めて重要になるのです。
  

共感ドミノ現象とは?

共感を生む

共感は単なる偶然や運ではなく、戦略的なアプローチで「創る」ことができます。
このプロセスで重要なのは、消費者が何に価値を感じるのか、その「潜在する価値」を探り出すことです。
一度共感が生まれると、それが次々と他の共感を引き起こし、消費者の製品やブランドに対する認識(パーセプション)が変わり始めます。
 

想起と共感の関連

共感ドミノ現象は、パーセプションチェンジ(消費者の認識の変更)、
カテゴリーエントリーポイント(欲求が生まれた瞬間にどのブランドや製品が思い浮かぶか)、
およびポジショニング戦略(ブランドの市場における位置づけ)において非常に有効です。

・パーセプションチェンジ: 共感を通じて消費者の既存の認識を変え、新しい価値を提供することができます。
・カテゴリーエントリーポイント: 欲求が生まれた瞬間にどのブランドや製品が最初に頭に浮かぶかが重要です。共感ドミノ現象をうまく活用することで、このポイントでの想起を強化できます。
・ポジショニング戦略: 共感ドミノ現象を利用することで、ブランドや製品の市場での位置づけを明確にし、他の競合と差別化することが可能です。

例:冷凍食品
潜在的価値: 冷凍食品の潜在的価値は「添加物がなく健康的」
潜在的"不": 「添加物が気になる」「野菜が今一つ感がある」が潜在的な課題

この事例から見ると、共感ドミノ現象は以下のように有効です。
パーセプションチェンジ: 「添加物は入っていない」「野菜もしっかりした食感がある」という価値を提示することで、消費者の冷凍食品に対する認識を変える。(=新しい価値提供)
手軽に取れる健康的な食品 とすることで選ばれる理由をつくる

カテゴリーエントリーポイント:手間なくちゃんとした野菜が摂れる健康によい冷凍食品
ポジショニング:まだ誰も訴求していないため、他の冷凍食品と差別化が図れる
  冷凍食品カテゴリーのネガティブなイメージは?     冷凍食品カテゴリーのよいイメージは?

例:柔軟剤
潜在的価値: 柔軟剤の潜在的価値は「着心地が良くなること」
潜在的"不": 「香り選びの難しさ」が潜在的な課題

この事例から見ると、共感ドミノ現象は以下のように有効です。
パーセプションチェンジ: 「着心地が良くなる」という新しい価値を提示し、消費者の柔軟剤に対する認識を変える。
香り訴求ではなく、着心地訴求をすることで選びやすくする
カテゴリーエントリーポイント:着心地がよくなる柔軟剤
ポジショニング: まだ誰も訴求していないため、他の柔軟剤と差別化を図れる

潜在価値は「着心地がよくなること?」        柔軟剤の潜在的”不”は、「香り選びの難しさ」!?

 

柔軟剤の潜在的価値は、「着心地が良くなること」!?    柔軟剤の潜在的”不”は、「香り選びの難しさ」!?

共感ドミノ現象を起こし、エボークトセットの獲得を目指す

ブランドのポジショニングは消費者の心の中でのブランドや製品の位置付けのことを差します。
これはパーセプション(消費者の認識)、ブランドイメージ(消費者の印象)、ブランドPOD(差別化要素)から形成されます。
それが、カテゴリーエントリーポイント(欲求発生時の入り口)でのエボークトセット(考慮するブランドの集合)に反映されます。

共感ドミノ現象を起こし、エボークトセットの獲得を目指す

 
・CEP:着心地をよくしたい
・CEP:ちゃんとした野菜を手間なくとりたい

共感ドミノ現象を起こすステップ

①    ネットリサーチ: 最初に、定性的および定量的な調査を通じて消費者の現在のニーズや課題を把握します。(自由回答を軸とした定性的定量調査)
②    デプスインタビュー: 消費者の深層心理を理解し、その情報を戦略に反映させるステップです。
③    再度のネットリサーチ: デプスインタビューの結果を元に、定量的な調査を行い、前のステップで得た洞察を補完します。
④    ワークショップ: チーム内で共感を生むアイデアをブレインストーミングし、最終的な戦略を練ります。
⑤    コピー/タグライン作成: 得られた洞察と戦略を基に、強力なメッセージを形成します。
⑥    PR/広告: 作成したメッセージを広めるための戦略を実行します。

共感ドミノ現象を起こすステップ

自社のコアユーザーに対して提供ベネフィットの探索(+定量調査結果の確からしさの確認)

 

自社のコアユーザーに対して提供ベネフィットの探索(+定量調査結果の確からしさの確認)

まとめ

共感ドミノ現象は、消費者との強いつながりを築くための非常に強力な戦略です。
この戦略をうまく活用することで、ブランドや製品の認知を深化させ、消費者とのつながりを強化することができます。
特に、パーセプションチェンジやカテゴリーエントリーポイント、ポジショニング戦略においてその有効性が高いです。
新しい市場を開拓する可能性もあり、ブランドの再生や再定義にも貢献する可能性があります。

 

 

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吉原慶
WRITER
吉原慶
マーケティング会社を経て、上場企業のマーケティングリサーチ会社に移籍。 リサーチャーのチームを立ち上げ、マネージャーとして後進の育成や社内外での勉強会やセミナーの開催、新サービスの開発を担当。 2022年ネオマーケティング(エキスパートグループ)に合流し、現在はストラテジックリサーチャーとして「リサーチを起点に、デジタルマーケティング・PRグループとのシナジーを生み出す」ことをミッションにしている。

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