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商品開発における未充足ニーズとその見つけ方

ライター:吉原慶

公開日:2022年03月08日 | 更新日:2023年10月20日

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目次

~新商品のアイデアは「本当はしたくないけど仕方なくやっていること」に隠されている~

「ニーズの発掘がヒット商品を生む」といわれます。確かに、ニーズ探索は商品開発の重要な第一歩です。しかし、「ニーズ」という言葉は意外と曖昧で、人によって解釈が違ったりもします。本コラムでは、「ニーズ」の概念を整頓しつつ、商品開発にあたってもっとも重要な「未充足ニーズ」とその見つけ方について解説します。

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「ニーズ」とは?

マーケティング用語には、「ニーズ」以外にも人間の欲や需要を表す言葉がいくつかあります。「ニーズをウォンツに変える」とか「潜在ニーズを知るためにジョブから考える」などといったりもしますが、なんだかわかったようで、わからないのではないでしょうか。さまざまな概念を持ち出して難しく考えずとも、「ニーズ」を丁寧にとらえることで十分、実務にいかすことができます。

まず、おさえておきたいのは、「ニーズ」といっても、顧客の状況や思いによって、3つの段階があるということです。最上位のニーズが「BEニーズ」。これは「○○な人生を送りたい」「幸せになりたい」「結婚したい」「モテたい」といったもので、「達成ニーズ」といわれます。

その一つ下の階層にあるのが「DOニーズ」です。これは「○○がしたい」というアクションの欲求で、さらにその一つ下に「HAVEニーズ」というものがあります。HAVEニーズは、ものやサービスへの欲求です。
3つのニーズ
この3つは目的と手段の関係で成り立っています。
たとえば、「モテたい」(BEニーズ)という思いをかなえる手段として、「ダイエットをしたい」(DOニーズ)という行動があり、それを行う手段として、「手軽に痩せられる道具が欲しい」(HAVEニーズ)、といった具合です。

ニーズ調査を行う際、この「HAVEニーズ」に着目する傾向があります。ネオマーケティングにも、「○○ができる商品を作ったから、そのニーズの強さを見たい」といった調査のご依頼をいただきます。しかし、「○○が欲しいですか?」という、その問いに答えられる時点で、そのニーズは顕在化されています。顕在化されているニーズの強弱を確認しても、正直、意味はありません。

「○○をしたい」と願っている人がたくさんいたとしても、すでに世の中には充足する手段や代替する手段が溢れているかもしれません。
なんの不満もなく、満たされている状態あれば、強いニーズに応える商品を出したとしても埋もれてしまいます。すでに顕在化されているニーズを追いかけていては、新しい市場を創り上げていく新商品を生み出すことはできません。

必要なのは、HAVEニーズの強弱ではなくて、そのニーズが満たされているかどうか。着目すべきは、「未充足ニーズ」なのです。

未充足ニーズとは?

ニーズは、潜在化されているものと顕在化されているものとに分けることができます。「未充足ニーズ」は潜在ニーズの一種で、その言葉のとおり、いまだ満たされていないニーズです。「○○になりたい」「○○をしたい」という欲求はあるけれど、充足する手段が現状、存在しないものをいいます。「○○したいけれど、できていない!」ことに応えられる商品があれば、注目を集めることは間違いないでしょう。

しかし、ものやサービスが溢れている現代社会です。たいていの欲求を満たす手段は、すでに存在しています。そのため、次に考えるべきは、手段はあるけれど問題があって、「仕方なくやっていること」は何か?ということです。

「○○をしたい」という願い自体は、既存のサービスで叶ってはいる。でも、じつはそこには問題があるーー。これもまた満たされていない「未充足ニーズ」といえます。
その問題を反転させ、仕方なくやっているものを解消する商品やサービスを提供できれば、生活者の未充足ニーズに応えることができる。それが、まさにベネフィットです。

「塗るつけまつげ」の成功

この未充足ニーズに見事に応えた商品として、わかりやすいのが「塗るつけまつげ」です。マーケティングの書籍でも取り上げられていて有名な話ですが、ニーズの3段階と未充足ニーズの観点から改めて見ていきましょう。
塗るつけまつげ~ニーズピラミッド~
塗るつけまつげは、「目を大きく見せたい」というDOニーズに応える商品です。しかし、まつ毛エクステやつけまつげなど、このDOニーズを充足する商品やサービスはすでに存在していました。

ただし、つけまつげをしてもいつの間にかズレてしまうし、面倒くさい。まつ毛エクステにしても、定期的に通わなければいけないし、それなりにお金もかかる。問題が常態化されていて、それを解決する手段はありませんでした。HAVEニーズは一応、満たされているけれど、そこに問題があったわけです。

目を大きく見せるために、つけまつげを「仕方なく」使っている。そんな未充足ニーズを発見し、ズレない、それでいて手軽な方法を提供する。それが塗るつけまつげのベネフィットです。

しかも、塗るつけまつげが秀逸なのは、充足手段を「塗る」という化粧でよく行う動作からアプローチしたことです。「落ちないつけまつげ」といわれても、接着力の強さが想起されてしまう。そうではなく、ただ塗ればいい、という具体的な方法まで、商品名で提示をしました。

充足されている状態ではあったけれど、そこにあった問題点を見出し、問題点を反転して、「仕方なくやっていること」を解消するものを提供する。未充足ニーズから、一つの市場を作り上げた好例です。

未充足ニーズをどう見つけるのか?

では、生活者の未充足ニーズはどうしたら発掘できるのでしょうか? もっとも適しているのが、定性調査です。「したいけどできないこと」「仕方なくやっていること」を探るには、インタビューを通じて、話を聞き取りながら深堀りしていくのがいちばんです。

しかし、商品開発にはスピード感が必要な場合がありますし、ある程度、量的なボリュームで検証したいというケースもあるでしょう。そんなとき、定量調査で未充足ニーズを探る方法もあります。

具体的には、化粧や買い物、調理など具体的な行動やシチュエーションを絞ったうえで、次の2つの問いに自由回答で答えてもらうのです。

「したいけどできていないことはありますか?」
「本当はやりたくないけれど、仕方なくやっていることはありますか?」

この2つの問いで、ある程度のアイデアが拾えるのではないでしょうか。

たとえば、化粧品の新商品開発でニーズ調査をすると、「どんな化粧品が欲しいですか?」あるいは、「○○できる化粧品があったら欲しいですか?」と問いがちです。
ニーズの3段階でいうと、「化粧を通じてどうなりたいのか」というのがBEニーズ。
「面接に受かりたい」「デートに行きたい」というのが、DOニーズ。
そのために、「こんな化粧品を使いたい」というのが、HAVEニーズ。
「どんな化粧品が欲しいですか?」は、HAVEニーズへの問いになります。繰り返しになりますが、HAVEニーズを問いかけても顕在化されているニーズを確認することしかできません。

そうではなく、日々の化粧の中で仕方なく他に手段がないからやっていることを聞いていく。それにより、化粧というカテゴリーにおいて、未充足のニーズを掘り起こすことができます。

良い新商品・売れる新商品とは、未充足ニーズに応えるベネフィットが明確にあり、そのベネフィットが商品価値になっているものです。
「何が欲しいですか?」っていうストレートな問いから、斬新なアイディアや新しい商品が生まれることありません。生活者の価値観が多様化し、ものが溢れている時代、新しい市場を創り出すことができる商品は、未充足ニーズから生まれます。「未充足ニーズ」こそが、商品開発やニーズ調査を行う際のいちばんのキーワードなのです。

 

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吉原慶
WRITER
吉原慶
マーケティング会社を経て、上場企業のマーケティングリサーチ会社に移籍。 リサーチャーのチームを立ち上げ、マネージャーとして後進の育成や社内外での勉強会やセミナーの開催、新サービスの開発を担当。 2022年ネオマーケティング(エキスパートグループ)に合流し、現在はストラテジックリサーチャーとして「リサーチを起点に、デジタルマーケティング・PRグループとのシナジーを生み出す」ことをミッションにしている。

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