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ペルソナとは?マーケティング・ビジネスにおける作成方法から応用まで

ライター:佐藤 秀行

公開日:2022年07月01日 | 更新日:2024年07月01日

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目次

「ペルソナ」はニーズ探索や商品開発の際によく用いられ、ネオマーケティングでも顧客分析のソリューションの1つとして支援をしています。

しかし、正直、「もったいないな」と感じることが少なくありません。

せっかく行うペルソナ分析が、十分に活かせるものになっていないケースが多いからです。

 

今回は、そもそもペルソナとは何か、どのレベルまで作成する必要があるのか、どのように作成すればいいのかなど、基礎から応用まで解説します。

ペルソナとは?

 

■定義

「ペルソナ」とは、架空の氏名・年齢・職業・年収・生活価値観など、細部まで想定して作られたターゲットとなるユーザー像のことです。

自社の商品やサービスを使ってくれるユーザーはどのような人なのか、その属性やライフスタイル、価値観などを具体的なユーザー像として投影します。


※あるサプリメント商品のペルソナ像を想定して作成。

●性別:女性
●年齢:40代後半
●家族構成:働き盛りの夫と子どもが2人
●世帯年収:800万〜1000万円
●居住地:武蔵小杉周辺の高層マンション
●趣味:ヨガ、ランニング
●情報収集:@コスメの口コミや梨花や熊沢千絵などモデルのインスタを頻繁にチェック。雑誌は『Story.』『BAILA』をdマガジンで購読
●買い物をする店:日常的に利用するのは駅前のショッピングモール
●健康や美容に対する関心が高く、好奇心旺盛。50歳を前にして、アンチエイジングにも関心を持ち始め、「まずはサプリでも」と考えている

 

こうしたユーザー像から、商品であるサプリメントをどのような動機・理由で選び、購入するのか、そのシナリオまでを描いていきます。

 

■目的

ペルソナは、関係者間で共通の顧客イメージを持ち、ビジネス活動において一貫したアプローチを行い、ブレのないブランド戦略を進めるために活用します。

 

生活者とブランドの接点は、広告やメディアの情報に限りません。

商品、店頭、口コミ、カスタマーサポートなど、そのブランド(あるいは企業)と生活者のあらゆる接点での顧客体験がブランドの認識として形作られます。

そのためブランド戦略に必要なのは、それらすべての接点において、ぶれないブランドを認識してもらうことです。

そのためには、顧客の行動や意識に対してある程度の解像度で共通認識化しておく必要があります。

ペルソナはマーケティングや広告、商品開発に製造、営業、接客・販売など、全社的に各部署で共有し、それぞれの部門で活用することを前提に作られるべきなのです。

ターゲットととの違い

想定ユーザーを「ターゲット」と表現することもあると思います。

どの程度まで想定して設定しているかによりますが、一般的にはペルソナのほうがより1人のユーザー像として具体的に設定されているかと思います。

 

そもそもターゲットとは、市場をセグメンテーションした後の「ユーザー層」を指し、資源の戦略的投資対象として、ある程度の塊として認識するのが一般的です。

一方でペルソナは、行動や感情までイメージしきる必要があり、1人のユーザー像として詳細に設定されます。

違いは、解像度の違いともいえるでしょう。

 

ペルソナの重要性

ペルソナがマーケティングやビジネスにおいて重要なのは、企業が生活者視点であらゆる活動を行えるようにするためです。

 

多くの方が認識している通り、生活者を深く知ることは重要です。

それは、商品の提供相手のことを深く理解していなければ、どのような商品がよいのか、どのような売り方がよいのかなど、全てが企業視点で考えざるをえないからです。

マーケティングリサーチが行われるのは、生活者を理解し、生活者視点で考えらえるようにするためです。

 

ペルソナも同様です。

生活者はこう動くだろう、思うだろうという想定に根拠がなければ、それはすべて企業視点になります。

確かな情報をもとに生活者を深く理解し、ユーザーのモデルケースを作成する。

どのような行動をとって、どのような感情を抱いているか、関係者が共通認識を持ち、鮮明にイメージできるようにする。

それによって、完全には難しくてもできる限りの生活者視点で、生活者を動かすコミュニケーションが行えるのです。

ぺルソナに関するよくある課題

 

 ■部門ごとに必要なレベルまで最適化できない

ペルソナ分析のご依頼を受けると、「なんにでも(どこでも)使えますよね?」と言われることがあります。

ペルソナは全社的に活用することを目指して作成すべきですが、どの程度まで想定して作成すべきかは、部門ごとに異なることがあるので注意が必要です。

 

広告・宣伝部がキャッチコピーやキービジュアルなどのクリエイティブを制作したり、露出する媒体を決めたりするには、前述のペルソナ像があれば十分でしょう。

憧れのモデルなども示されていますから、CMにどんな人を起用すればいいのかについても方向性が明らかです。

 

しかし、製造や営業、接客・販売部門はどうでしょう?

製造部門が知りたいのは、顧客が求める機能性やデザイン性です。自分たちが作っているものは、果たしてターゲットのニーズを満たしているのかどうか。その答えが、先のペルソナにあるでしょうか?

製造担当者にしてみたら、読んでいる雑誌や趣味といった情報は不要でしょう。必要なのは、どんな商品を好み、どう使っているのかです。

 

接客や販売部門では、ペルソナから販売促進ツールや対応マニュアルの作成を行います。しかし、商品はショッピングモールにだけでなく、百貨店やドラッグストア、家電量販店などさまざまなシチュエーションで商品が売られているわけで、あのペルソナ像からはほとんど情報を得ることができません。

 

そのため、求められるペルソナは活用用途によって異なることを認識し、実際には部門ごとに必要なレベルまで検討する必要があります。

ぺルソナ作成の3ステップ

 

シンプルにペルソナ作成を3つのステップでご説明します。

 

ターゲティングを行う

具体的なユーザーを想定し始める前に、そもそも想定すべきユーザーがどのユーザー層に属するのかを明確にする必要があります。まだSTP分析を実施していない場合は、前提としてセグメンテーションとターゲティングが必要です。 

 

■顧客を知る

ターゲットとなるユーザー層を選定したら、ユーザー像を具体的にイメージするために、ユーザーに関する情報を集めます。

想像でペルソナを作成することはいくらでもできますが、それでは生活者視点でのコミュニケーションは行えません。

ユーザーがどのような場面、ニーズを抱えてサービスを利用するに至るのか、その時の感情に関する情報をインタビュー調査などで集めます。

当然ですが、この時の調査対象はどのようなペルソナを作成するかで変わります。

潜在ユーザーなのか、顧客となって間もないユーザーなのか、ロイヤリティの高いユーザーなのかなどによって、得るべき情報も異なります。

 

インタビュー調査について詳しく知る

 

■ペルソナの作成

得られた情報をもとに、ペルソナを作成します。

これまでに集めた情報すべてを盛り込む必要はありません。

すべてのユーザーにあてはまるユーザー像を作成しようとしても無理があるからです。

あくまでも関係者間で共通認識を解像度高く持ち、ペルソナをもとに施策立案などができるようにすればよいのです。

ペルソナ作成のコツ~どのレベルまで想定するか~

ネオマーケティングでは、ペルソナ分析は「社内の○○さん」まで落とし込むことを推奨しています。

このご提案をすると、マーケティング担当者の方から苦笑いされることが多いのですが、実はとても重要でかつ有益です。

 

まず、より具体的にイメージしやすいというメリットがあります。

 

どういう性格でどんな生活価値観を持っているかなど、詳細にしていったとしてもペルソナは存在しないバーチャルの人です。

ペルソナの作成自体、いわば“妄想の枠”を決めるようなものではありますが、妄想だとしても、みんながよく知っている人であれば、すぐに同じイメージを抱くことができます。

 

「埼玉県在住の専業主婦。持ち家だけれど、残りのローンは32年。都内の商社に勤める夫と幼稚園児、0歳児の母親」と言われても、想像には限界はあります。しかし、『クレヨンしんちゃん』のみさえと言われたら、その一言で、どんな人物なのかわかるでしょう。

 

この”誰もがイメージしやすい”ということが重要なのです。

 

そして、もう一つ。『クレヨンしんちゃん』のみさえに話を聞くことはできませんが、「社内の○○さん」であれば、すぐに聞き取りができます。

その○○さんが広告部や販売部であっても、何か迷ったらすぐにヒアリングができます。

商品を試してもらいその感想を聞くことも可能です。

 

新商品の開発や商品のブラッシュアップのたびに、方向性に間違いがないか、調査をして確認をしていては時間もコストもかかります。

しかし、社内にリアルなペルソナがいれば、その人に聞けばよいのです。昨今、よく言われている「PDCAサイクルの高速化」も可能になります。

ペルソナの活用例

 

コミュニケーション施策・プロモーション施策

ペルソナが最も活用される場面です。

ユーザーに購買体験の次のステップに進んでもらうためにはどのような施策が有効か、ペルソナをベースに検討することが効果的です。

商品のデザイン、広告メッセージ、販促施策など、あらゆるコミュニケーション・プロモーション施策に活用できます。

 

ブランド戦略

ブランドが顧客や社会にどのような価値を提供し、どのような存在として認識してもらいたいか、ブランド戦略を検討するうえでもペルソナは活用できます。

ペルソナでユーザー像を具体的に想定することができれば、そのペルソナの価値観、理想とする自己イメージ、心を動かすポイント、インサイトまで想像することができます。

これらが明確になればブランドが目指すべき姿や、顧客に提供すべき価値が明確になり、ブランド戦略の検討材料になります。

 

■コンテンツマーケティング

ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供する際も、ペルソナは有効です。

全てのユーザーに等しく魅力的なコンテンツを作成することは難しく、誰にも響かないコンテンツになりかねません。

コンテンツマーケティングでは、いかに1人のユーザーを動かすコンテンツを提供できるか、どのタイミング、チャネルでアプローチするかをおさえることが肝要です。

ペルソナを活用することで、それらを突き詰めて考えることができます。 

注意点

 

■思い込みや想像だけで作成しない

ペルソナを企業側の思い込みで作成すると、生活者視点を持てなくなります。

ユーザー像を具体化するための情報は、必ずリアルなユーザーから得てください。

リアルなユーザー情報は、ペルソナ作成だけでなく、企業活動のあらゆる取り組みに活用できます。

一度ユーザーへのインタビューを行えば、いかに今までのユーザー像が顧客視点であったかに気付けるでしょう。

 

■定期的な見直しを行う

市場の変化、ブランド側の変化によって、想定すべきユーザー像も変わっていきます。

またブランドが抱えるボトルネックの移り変わりによっても、どのような購買フェーズのペルソナを作成してテコ入れすべきか変わります。

繰り返しになりますが、ペルソナ作成のためだけにコストをかけてユーザー情報を収集する必要はありません。

ユーザー理解を深めるため、あらゆる用途で情報を活用するための調査で、ペルソナの情報も更新していきましょう。

まとめ

ペルソナを作成するのになにより重要なのは、その目的です。

広告に活用する、あるいは代理店向けにオリエンテーションするために使う、という目的だけであれば、先に示したようなペルソナで十分でしょう。ですが全社で共有して活用していきたい、というのであれば粒度をもっと下げていく必要があります。

 

最終目的が何かが明確になれば、情報をどこまで細かく落とすべきかも定まります。

せっかくコストをかけてペルソナを作成するのですから、マーケティングと広告・宣伝だけにしか活用できないのでは、やはりもったいありません。

最後に、ペルソナを作ることはゴールではありません。軸足を決めて、きちんと設計し分析をすることが重要です。ネオマーケティングでは本当に活用できるペルソナ分析を、サポートいたします。

 

ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
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佐藤 秀行
WRITER
佐藤 秀行
食品・飲料・日用品等のメーカー、広告代理店の中でも、国内有数の大手企業を顧客にもち、 マーケティングリサーチの企画設計・実査運用を行う。業界歴10年以上。 リサーチ後のマーケティング支援実績も豊富で、マーケティング領域のコンサルティングを多く担当。 ネオマーケティングに入社後はクライアントのニーズにあわせ、売上・運用等の課題解決をゼロベースから支援。数々の顧客を成功に導く。

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