記事やイベントの企画において、その元となるネタを生み出すのは出版やメディアの編集者の大きな仕事のひとつです。企画の成否を決める重大な役割を持つ“ユーザーに支持されるネタ”の発案が求められる中、常に質の高い提案をし続けることはとても困難な作業です。
これから流行するであろうもの、人々の目を奪うインパクトのあるネタを扱いたいと思っていても、都合のよいタイミングで必ずしも情報が得られるわけではない状況に悩んでいる編集者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ネタ出しのヒントへの調査レポート活用について考えます。
個人の限界を超えるアイデアの宝庫! 調査レポートでネタ出しの悩みを解決!
「三人寄れば文殊の知恵」の諺にもあるように、人数が増えることで個人では考え付かなかったアイデアに辿りつくことは多くあります。多数の対象者に対して行われるアンケートは、この“人数が集まること”によるメリットを十分に得ることのできる情報源であり、自身はもちろん、数人程度の発想では想像し得なかった意外な結果や新しいヒントが得られるチャンスが多分にあります。
年代や性別、生活環境などの異なるさまざまな人の考え方や嗜好をまとめて入手でき、実生活では交流のないカテゴリに属する人の意見の把握も容易なことは、匿名で行うアンケートだからこその本音を知ることができるのも、大きな魅力と言えるでしょう。
多くのリサーチ会社や公共機関が自主調査という形で調査レポートを作成、公開しており、ネタ元に窮することがない点、インターネットを使って検索できる手軽さも、日々企画に追われる編集者にとってありがたいポイントです。
具体的な事例に見る、調査レポートを使った記事とは?
調査レポートから企画のネタを生み出すというと、アンケート結果からトレンドを把握し、人気のアイテムなどに焦点を当てた企画を作るというのは一般的なセオリーの一つですが、流行りを推測できる情報のみに焦点を絞ると、活用できる調査レポートの幅を狭めてしまいます。
例えば、プレゼントキャンペーンに応募したことのある男女と、キャンペーン活動に関与することのある男女に対してアンケートを行った「プレゼントキャンペーンに関する調査」は、弊社が公開している調査レポートのひとつです。
プレゼント情報を入手する方法や応募のきっかけ、デジタルギフトへの捉え方などの情報が得られるこの調査レポートは、多くのメディアで引用されていますが、その内容は調査のメインテーマである「プレゼントキャンペーン」に関する記事だけではありません。
デジタルギフトやソーシャルギフトという現代のギフト事情に関する記事、ネット時代における販促ギフトを扱うものなど、さまざまな切り口の記事に利用されています。調査レポートから得た情報は、必ずしもこう利用するべきという形があるわけではありません。視野を広げ、アイデアを生み出すヒントと捉えることで活用の幅が広がります。
情報が足りないときは、自分で調査レポートを作ってみることも
「ネタにできそうなヒントはあるもののあと少しの情報が欲しい」「このジャンルで企画を立てたいがよい調査レポートがない」といった時は、自身で作り出すことも検討してみましょう。
ネット上に点在しているアンケート結果や情報をまとめてオリジナルの調査レポートにしてみると、個々の状態ではわからなかった関係性や潜在意識が浮かび上がり、新たなアイデアのヒントとなるかもしれません。
また突き詰めたい部分の情報を補足するためのリサーチを自ら実施するのも一つの手です。ごく少数のアンケートを低コストで行うものなど、柔軟な対応が望めるサービスの利用も視野に入れると選択肢が広がります。
まとめ
ネタを生み出すヒントとなった調査レポートは、同時にその企画の情報の信頼度を高めるデータとしても活用できます。便利かつ手軽なネタ出しの道具として、上手く使いこなしましょう。