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リッカート尺度とは?企業が行う調査でよく利用される評価尺度法

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2022年07月15日 | 更新日:2022年11月22日

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ネオマーケティング」ライターチームです。

 

顧客や従業員など、人との関わり合いの中で成立するのが企業活動です。そのため企業が現状把握のために行う各種調査には、人の心理状態を測定するためのアンケート調査が頻繁に行われます。そしてアンケートによる質問項目を設定する際、よく用いられるのがリッカート尺度です。
今回は、アンケート調査で取り入れられることの多いリッカート尺度とは何かについて、詳しく解説します。

 

リッカート尺度とは?

リッカート尺度とは、アンケートにおいて対極関係にある質問を両極に置きつつ、どの程度の強さでその意見をもつかを尋ねることを指します。リッカートとはこの尺度法を生み出したアメリカの社会学者の名前です。企業がアンケート調査を行う場合、リッカート尺度は最もスタンダードなスケール(尺度)として幅広く利用されています。

たとえば「賛成」か「反対」かを尋ねるアンケートの場合、リッカート尺度としてよくあるのは、「賛成」「やや賛成」「どちらともいえない」「やや反対」「反対」という5段階のスケールを使った質問です。アンケートによっては7段階などより多くの回答選択肢を設けることもありますが、その場合も賛成寄りと反対寄りの選択肢は同数に設定されます。

リッカート尺度の最大の特徴は、二者択一の質問ではないという点です。回答者に「満足」か「不満足」かを尋ねる質問であれば、「どちらかというと満足」「どちらかというと不満足」など、どの程度の満足度・不満足度なのかを答えてもらう選択肢を取り入れます。

回答の選択肢が二つしかない場合に比べて、リッカート尺度ではより細かい心理的状況について調査可能です。同じ「満足」でも、「非常に満足した」と「少しだけ満足した」とでは、満足度に大きな違いがあるといえますが、こうした差を浮き彫りにできるのが、リッカード尺度の大きな利点です。

そして企業にとっては、こうした程度の差を把握できるリッカード尺度の活用は極めて重要といえます。たとえば、顧客に対して自社商品の満足度を尋ねるアンケート調査を行う場合、「どちらかといえば満足」と「非常に満足」とでは、顧客が感じている満足度に大きな差があると判断できます。

 

「どちらかといえば満足」との回答割合が多ければ、自社商品に改善の余地が多数あると考えられるのに対し、「非常に満足」との回答が多ければ、現状の自社商品が顧客ニーズにより適合していると考えられます。企業にとってリッカート尺度は、調査対象者の微妙な心理状況を把握できる極めて有用な手法であるわけです。

リッカート尺度が用いられるアンケート調査の例

企業が実施するアンケート調査において、リッカード尺度が利用される頻度は多いです。代表例としては、顧客満足度(CS)調査と従業員満足度(ES)調査が挙げられます。

顧客満足度調査とは、自社の新商品・サービスに対する顧客の印象を調査するために行われるアンケート調査です。形式としては、まずは全体的な満足度の度合いを尋ねた上で、商品・サービスの細かい特徴に対する印象を聞き取り、どの特徴が全体的な満足度と高い相関関係にあるのかを調べるのが一般的といえます。

 

自社商品・サービスに対する満足度を尋ねる際に、「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満足」「不満足」といったリッカート尺度が用いられるのが通例です。

顧客満足度調査の詳細はコチラ

一方、従業員満足度調査とは、その名の通り従業員を対象に実施される、自社に対する満足度を調べる調査のことです。従業員満足度調査も、全体的な満足度の度合いに対して、待遇、福利厚生、職場の人間関係といった、個別項目の中で最も大きく影響を与えている項目は何かを調べるのが基本的な方法です。

 

全体的に「不満足」との回答を行った従業員の多くが、「福利厚生」の項目にも「不満足」との回答をしていれば、企業としては従業員のモチベーションを高めるために、福利厚生の改善が必要であることが把握できるわけです。この従業員満足度調査においても、顧客満足度調査と同様のリッカート尺度が利用されます。

リッカート尺度を利用するメリット、デメリット

リッカート尺度のメリットは、尺度に段階を設けることでより細かいデータを収集できる一方、全体的な傾向としての意見も把握できる点にあります。

細かいデータの収集という点では、たとえば同じ「賛成」でも「やや賛成」「大いに賛成」といった尺度を設けることで、調査対象者の賛成の度合いを詳細に把握できます。しかしリッカート尺度ではそれと同時に、「賛成」と「やや賛成」、「反対」と「やや反対」といった両極寄りの意見を合計することで、「賛成」の意向をもつ人と「反対」の意向をもつ人を二極化して把握することも可能です。つまり、細かい心理状況のデータを集められると同時に、二極化した場合の割合を把握できるわけです。

また、リッカード尺度の利点として、回答者が答えやすいという点も挙げられます。「賛成」か「反対」、「満足」か「不満足」という二者択一の場合、回答者が明確な意見をもっていないときは、どちらに回答すべきか迷ってしまうかもしれません。そんなとき、「やや賛成」や「やや不満足」といった選択肢があれば、明確な意見がない人でも回答しやすいわけです。

一方、デメリットとしては、尺度の段階数が多いので、選択肢間の差がわかりにくいと感じる点が挙げられます。たとえば「満足」と「やや満足」は、満足度に強弱があること自体はわかりますが、何を基準・境界として回答が分かれるのかはあいまいです。また、二者択一のアンケートよりも多くの選択肢から回答を選ぶことになるため、回答者負担が大きくなってきます。回答者負担が大きいと途中離脱のケースが増えるため、その点はリッカート尺度の難点といえるでしょう。


また日本人の傾向として、極端な回答を避ける、というものがあります。つまり「どちからといえば~」という選択肢に回答が寄ってしまう可能性があるのです。調査結果をいかに解釈するか、その分析力が必要です。

リッカート尺度でポイントとなる中立的尺度

リッカート尺度について考える上で大きな論点となるのが、中立的尺度の問題です。中立的尺度とは、リッカート尺度の中で設置される「どちらともいえない」という回答項目を指します。

一般的に顧客満足度や従業員満足度では、質問の両極に「満足」「不満足」などの項目が置かれますが、真ん中に「どちらともいえない」の選択肢が置かれます。実はリッカート尺度でアンケートを行った場合、この「どちらともいえない」との回答数が最多となるケースが少なくないのです。

特に、回答者が満足か不満足か明確な意見をもっていない場合、あるいはその場でどちらかを選ぶ決断を短期間で行えない場合などに、手っ取り早く回答するためにとりあえず「どちらともいえない」を選ぶケースが多いのです。「どちらともいえない」ばかりに回答が集中してしまうと、お金と時間をかけて調査をしたのに、十分な分析ができないという事態になる恐れもあります。

しかし、中立的尺度を入れることにはメリットもあります。中立的尺度があるにもかかわらず、「満足」や「不満足」、あるいは「賛成」や「反対」といった項目を選択するのであれば、それだけ回答者はその意見を強くもっていることを意味します。中立的尺度がなければ、満足か不満足かを強く意識していないのに、「とりあえず満足を選んでおく」といった回答をすることになるため、アンケートによって正確な心理状況を把握できないリスクがあります。


つまり、中立的尺度を設けることで、真に明確な意見をもつ人の割合を把握しやすくなる面もあるわけです。また、回答する側は自分の意見を明確にしなくて済む選択肢があることで、回答する際の心理的負担を減らせます。回答の際の心理的負担を減らして、途中離脱の割合を減少させることが可能です。

実際に中立的尺度を入れるべきかどうかは、そのメリットとデメリットを踏まえた上で、調査実施者が決める必要があります。明確な意見表明を保留できる余地を残すことに、どれだけ利点・意味を見出せるのかが判断の分かれ目ともいえるでしょう。

 

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