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ネットリサーチを活用した市場規模推計のすすめ

ライター:吉原慶

公開日:2022年04月15日 | 更新日:2022年06月02日

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異業界への参入や新商品の開発プロジェクトが立ち上がったとき「どのくらいの市場規模で、どの程度の売上が見込めるのか」という点を把握しておくことはとても重要です。調査データが生きる場面ではありますが、データに足をとられていないでしょうか? リスクを減らそうとデータを精査している、その時間こそが最大の事業リスクになっているかも、しれません。

市場規模推計の精度に意味はある?

市場規模推計のお話しをしていると、「どれぐらいの精度なのか?」「どの程度の誤差があるのか?」という質問をよくいただきます。また、「配荷率が何%だとどうなるのか?」「いくら広告費をかけると売上見込みはどのくらい上がるのか?」といったことまで気にされるケースもあります。(いわゆる予測モデルの構築やシミュレーション)

推計の精度は高いに越したことはありませんし、さまざまな状況をシミュレーションして予測したい、という気持ちはわからなくもありません。リスクはなるべく減らしたいですし、プロジェクトを社内で通すために、なんとか「売れる可能性」をデータで示したい、ということもあるでしょう。
しかし、推計はどこまでいっても推計にすぎません。配荷率はメーカーサイドでコントロールできるものではありません。広告費にしても、何のプロモーションを行うかによって変わりますし、そもそも、広告によってどのくらい売り上げが上がるかなど、正確に予測することは不可能です。
もっと言ってしまえば、売上に影響する「天気」「気温」「社会情勢」は、誰が寸分の狂い無く予測できるでしょうか?予測できないことや自分たちではコントロールできない指標を計算式に当てはめたところで、その数字にどれほどの意味があるのでしょうか?(どうにもできない指標は変数ではなく定数です。)

ネオマーケティングでは、市場規模推計とは、言葉通りの「市場規模」ではなく、その事業のポテンシャル、つまり潜在的な可能性を確認するためのものである位置づけています。その新規事業や新商品に「投資する価値があるかどうか?」を判断し、意思決定を早める指標の一つです。

ネットリサーチによる市場規模推計

市場規模推計は、官公庁や業界団体の統計をもとに推計をする方法が一般的です。あるいは、矢野経済研究所や富士経済グループといった、市場調査に特化した企業から情報を買うといった方法で行います。自動車市場やペット市場など、ジャンルごとの大きなマーケット規模はこうした情報で知ることができます。


一方で、ネットリサーチから考えたときの市場規模推計は少し意味合いが異なります。
「ターゲットとなり得る人がどれぐらいいるのか?」を前提に市場規模を考えていきます。
「新たに企画している新商品を買ってくれそうな人はどのくらいいるのか?」
これは、個別に実施したアンケートの回答によって明らかになります。
アンケートを行い、購入意向がある人はどんな人で、どの程度存在するのか? その数値さえわかれば、多少の誤差はあるけれど、おおよそのポテンシャルは推定することができます。

これは、「フェルミ推定」に近い思考法です。フェルミ推定とは、細かい数字は無視をして、今あるデータから論理的に考え、おおよその傾向を予測するというものです。
アンケート結果と人口構成や人口動態などのオープンデータを用いれば、「購入意向のある人がどれぐらいいるか」という推定は、掛け算で簡単に算出することができます。

 

ビールの新商品開発を例に考えてみましょう。

ターゲットを20代〜40代の男女で、既婚の会社員と仮定します。その人たちに、「週1回以上ビールを飲むかどうか?」「こういうビールがあったらどうですか?」といったアンケートをとるのです。

このアンケートによって、週1回以上のビールを飲む人の割合がわかり、日本の人口の年齢分布や労働力調査といったデータと組み合わせれば、日本国内に「週1以上ビールを飲む20代〜40代の既婚の会社員」がどれだけいるのかを出すことができます。
そこに、アンケートで「買ってみたい」と回答した人の割合、さらに単価を掛け合わせて、その新商品のポテンシャルを導き出すのです。

 

上記の方法で算出された推定売上金額が「損益分岐点を下回るか否か」という点を確認すれば、投資価値を判断する事ができます。この1点だけにフォーカスし、プロジェクトのGO /NO GO!を判断すると良いでしょう。
事業会社は、それぞれ投資基準となる数値を設定しているかと思います。その数値と推定売上金額を比較し、推定売上金額が上回る場合、プロジェクトはGO!です。逆に下回る場合は、次のアクション(商品コンセプトの見直しに立ち戻るなど)につながる意思決定を行いましょう。
繰り返しになりますが、市場規模推計はあくまで「意思決定を早める指標」なのです。

アジャイルな市場規模推計の重要性

冒頭でお伝えしたように、どれだけ精度を高めて市場規模を推計したとしても「商品が売れるかどうか?」「マーケットがどうなるか?」ということを正確に予測することはほとんど不可能です。

しかしながら、アンケートにもある程度の誤差はあります。とはいえ、アンケート結果の善し悪しの議論に時間を費やすことは、意思決定の遅れに繋がります。

意思決定の遅れは、アジャイル・マーケティングが求められる昨今においては、プロジェクト進行における最大のデメリットになり得ます。

今後、「アジャイルマーケティング」「アジャイル開発」が求められることは間違いありません。「アジャイル(Agile)」は直訳すると、「機敏な、敏しょうな」という意味になります。
確実性を高めてからプロジェクトを進めるのではなく、「とりあえずやってみて駄目だったら起動修正していこう」というのが「アジャイルマーケティング」「アジャイル開発」です。アメリカではすでに主流になっている考え方で、この流れは日本にも浸透しつつあります。

全ての意思決定を早めないと、アジャイル開発は実行できません。実行するためには、まずはプロジェクト進行の有無の判断材料となる市場規模推計からアジャイルに取り組むべきです。
デジタルマーケティングが普及した現代において、生活者の価値観や嗜好は、その生活者すら気づいてないうちに、無意識に変化していきます。商品のサイクルも速く、昨日までのトレンドが明日にはもう時代遅れになっている時代です。想像以上の速さで市場は変化し続けているのです。

まとめ

新商品開発の検討に1〜2年をかけている間に市場の様相はまるで違うものになっています。市場に1番手に名乗りを上げることはとても重要で、それは多くの場合、市場シェアと直結します。わずかな差であっても2番手・3番手になってしまうと、価格競争に陥ることになります。
価格競争に陥らず1番を獲るためには、スピード感をもって市場に投入していくことがマストです。
思慮深く検討を重ねるよりも、まずはトライをする。ダメだったら、改良を重ねていけばいい。そもそも市場というのは不確実なものですから、アジャイルに進めたほうがリスクを減らすことができますし、結果的にコストメリットが生まれます。
日本には、挑戦することよりも失敗をしないことを善とする社会風潮もあります。マーケティングや商品開発の現場がいくらアジリティ(機敏性)を意識しても、組織全体の意思決定を速めるのは簡単ではないかもしれません。しかし、「とりあえず」といいながら、その「とりあえず」の腰が重いままでは勝てないのです。
調査データは事業活動にとても重要で、ネオマーケティングもさまざまなソリューションを提供しています。しかし、データは目的に応じて適切に活用することで生きてきます。市場規模推計の目的は事業ポテンシャルの判断。これを理解していただくと、アジャイルに開発が進められるのではないでしょうか。
事業ポテンシャルをシンプルに推計し意思決定することはアジャイル開発の一助となるはずです。

 

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吉原慶
WRITER
吉原慶
マーケティング会社を経て、上場企業のマーケティングリサーチ会社に移籍。 リサーチャーのチームを立ち上げ、マネージャーとして後進の育成や社内外での勉強会やセミナーの開催、新サービスの開発を担当。 2022年ネオマーケティング(エキスパートグループ)に合流し、現在はストラテジックリサーチャーとして「リサーチを起点に、デジタルマーケティング・PRグループとのシナジーを生み出す」ことをミッションにしている。

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