Facebook広告には、複数の配信面(広告が表示されるエリア)があります。この配信面に応じて、推奨される画像のサイズや解像度、縦横比も変わります。こうしたFacebook広告の画像の仕様に加えて、画像の内容や、作り方・選び方の注意点なども見ていきましょう。
Facebook広告の種類と画像サイズ
Facebook広告には複数の種類があり、それによって推奨される画像サイズも異なります。

(参照元)Meta for Business 『広告マネージャの各配置でサポートされるアスペクト比』
※ファイルタイプはいずれもPNGまたはJPGです。
※解像度に上限はありません。
■用意しておきたい画像サイズ
最低限、以下の4種類の画像サイズを用意しておけば、多くの場面で問題なく利用できるでしょう。
・1 : 1(1080 x 1080)
・1.91 : 1 (1200 x 628)
・9:16 (1080 x 1920)
・16:9 (1920 x 1080)
また、「広告アセットカスタマイズ」機能を利用することで、一つの画像を、さまざまな配置と縦横比で活用することも可能です。
■Facebookフィードの広告と画像サイズ

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Facebookフィードは、ユーザーのFacebook画面の中央に表示されるタイムラインのことです。フィードには、友達、Facebookページなどの投稿や、Facebookフィード広告などが表示されます。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・1 : 1(1080 x 1080)
・4 : 5(1080 x 1350)
■Facebook右側広告枠の広告と画像サイズ
Facebook右側広告枠は、デスクトップ’(パソコン)でFacebookにアクセスした際に表示される、専用のフォーマットです。このタイプの広告は、Facebookの各ページの右側枠に表示されます。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・1.91 : 1 (1200 x 628)
・1:1(1080 x 1080)
■Facebookインスタント記事の広告と画像サイズ

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Facebookインスタント記事は、携帯電話やスマートフォンなどに最適化されたフォーマットです。自分の配信するインスタント記事に広告を設定し、表示させることができます。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・1.91 : 1 (1200 x 628)
・1:1(1080 x 1080)
■Facebookインストリーム動画の広告と画像サイズ

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Facebookインストリーム動画とは、Facebookで動画コンテンツを視聴しているユーザーに対して表示される広告です。ここでは、画像広告のほかに動画広告を用いることもできます。
動画コンテンツは、たとえば有名なインフルエンサーや、人気のある著名人、デジタルクリエイターなど、さまざまなユーザーが投稿する動画になります。こうした動画の途中に広告を掲出することが可能です。
Facebookインストリーム動画の広告は、スマートフォンなどのモバイルデバイスで、動画を60秒以上視聴した後に表示されます。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・16:9 (1920 x 1080)
■Facebookストーリーズの広告と画像サイズ

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Facebookストーリーズ広告は、縦長のフルスクリーン画面で表示される、没入感のあるフォーマットです。一般のユーザーによるストーリーズ投稿の合間に、同じフォーマットで広告を配信することができます。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・9:16 (1080 x 1920)
■Facebook検索結果の広告と画像サイズ

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Facebook上での検索結果画面に表示される広告です。検索機能を使い、新しいものを積極的に探すユーザーに、効果的にリーチできるフォーマットとなります。
ここに配置される広告の画像は、以下のサイズが推奨されます。
・1.91 : 1 (1200 x 628)
・1:1(1080 x 1080)
※SNS広告の基礎については、こちらのショートウェビナ―動画をご覧ください。
Facebook広告の画像の作り方と注意点
Facebook広告の画像は、「サイズさえ合っていれば何を出稿しても良い」というものではありません。画像の内容についても、Facebook広告ポリシーで基準が定められています。
また、「このような画像が望ましい」というベストプラクティスも公開されています。こうしたポイントについて解説していきます。
■1:Facebook広告ポリシー
まずは、Facebook広告ポリシーのうち、画像制作の際に特に注意したいポイントを抜粋して解説していきます。Facebook広告ポリシーに違反していると判断された場合、広告の審査に落ちてしまうほか、広告アカウント凍結などのリスクもあるため、十分に注意しましょう。
・製品に存在しない機能を描写した画像や、虚偽の内容、誤解を招く内容
たとえば、実際には健康効果が無い製品にも関わらず、健康に役立つかのようなイメージを与える画像を使用してしまうと、Facebook広告ポリシーに反すると判断される可能性があるでしょう。
経験的には、「100人が使用したら、100人が同じように実感できる機能が表現されているか?」という観点が重要だと言われています。健康、美容、医療、金融、投資など、人によって得られる結果に大きな個人差がある分野では、特に注意しましょう。
・利用者の意志とは関係なく広告へのリアクションを扇動する内容
いわゆる「釣り広告」などと呼ばれる、悪質な広告です。過激な表現を用いたり、内容をよく見ずにクリックを誘発してしまうような表現、また、そうした意図を持った画像などは避けるべきです。
たとえば、大きく禁止マークだけを表示する画像や、「閲覧注意」「お詫び」「ただちにご確認下さい」などのテキストが含まれた画像などが、一例として挙げられるでしょう。
利用者の立場になってみて、「騙された」と思ってしまうことの無いよう、誠実な広告画像を作成していきましょう。
・ヘルスケア関連について、使用前と使用後の比較画像や、ありえない結果を示す画像
このポイントは、とくに健康・美容などヘルスケア関連分野に関するものになります。美肌製品、ダイエット製品などの広告は、特に注意が必要です。
使用前と使用後の比較画像、あり得ないほどの非現実的な効果を示す画像などは使用を避けましょう。リアリティのある内容でも、比較画像はNGになると考えて良いでしょう。
・ネガティブな自己評価を表現した画像
いわゆる「コンプレックス広告」と呼ばれるものです。たとえば、「痩せないとモテない」「脱毛しないと嫌われる」などのイメージを喚起するような表現が当該します。コンプレックスに訴えかけるような表現は、画像・テキストともに使用を避けましょう。
■2:Facebook広告ガイドラインによる「ベストプラクティス」
続いて、Facebook広告ガイドラインのうち、特に「広告画像のベストプラクティス」とされているポイントを解説していきます。
・製品を使用している人を見せる
製品の画像だけでなく、その製品を実際に使用している「人」を見せるような画像が効果的だとされています。
たとえば、製品がランニングシューズであれば、その靴だけを静物で撮影するのではなく、実際に履いてランニングをしている「人」をメインの被写体とする構図です。
ただしこの際、フォーカスするのは「人」ではなく、あくまで製品です。ランニングシューズの例であれば、ランニングしている人の足元に焦点を当て、靴そのものが主役となるよう撮影アングルを調整したり、画像をトリミングします。
・テキストが少ないほど効果的
画像の中にロゴやキャッチフレーズなどのテキスト(文字・文章)を入れる手法は、昨今、動画のサムネイル画像などで良く見かけるようになりました。しかしFacebook広告のベストプラクティスでは、こうしたテキストは少なければ少ないほど効果的とされています。
これについて、以前は「20%ルール」と呼ばれるものがありました。画像の面積のうち、テキストが占める割合を20%程度までに抑えるべき、とするルールです。このルールは現在は撤廃されていますが、依然としてテキストは少ないほうが推奨されています。
文字を画像にして目立たせるのではなく、製品やサービスの魅力が印象として伝わる画像を用意しましょう。
・重要な部分だけをトリミングする
画像の中で、重要となる部分だけを切り取ってトリミングし、ユーザーに明確なメッセージを伝えることが推奨されています。「見せたいもの」と無関係の余白や背景をなるべく少なくし、重要な被写体を大きく捉えましょう。複数の画像を用いたい場合は、「カルーセル広告」のフォーマットが推奨されています。
・高画質の画像を使用する
Facebook広告では、画像の画質も重要になります。できる限り解像度の高い画像を用意しましょう。
Facebook広告は、「不快感を与えない、誠実な画像」で出稿を
Facebook広告には、ポリシー、ガイドライン、ベストプラクティスなど、様々なポイントがあります。一つ一つのルールや推奨事項をしっかりと確認することも重要です。しかし、何より心がけたいのは、「不快感を与えない、誠実な広告画像」だと言って良いでしょう。
■ユーザーに不快感を与えない
「この画像を見た時に、ユーザーは不快に思わないか?」という観点です。ショッキングな画像や、嫌悪感を持たせる画像、人のコンプレックスを刺激する画像などを用いて注目を集める広告手法は避けましょう。
・老廃物をイメージさせる被写体
・性的な部位を強調した画像
・特定のタイプの頭髪や体型などに対して、ネガティブな印象を煽る画像
・・・等
こうしたテーマを暗喩するような画像や、そのような誤解を持たれてしまう画像も避けたほうが良いでしょう。
■「騙された」と思わせない、誠実な広告画像
「この画像を見て広告をクリックしたユーザーが、"騙された"と思わないか?」という観点です。実際に提供している製品やサービスと異なる画像、虚偽ではないが極端な事例を表現する画像などは、使用を避けましょう。
・自社が取り扱っていない、人気ブランドの製品を広告画像に使用する
・投資、起業、副業、不動産売買などで「必ず利益が得られる」と期待させるような画像
・「詳細はこちら」ボタンの遷移先とまったく異なる広告画像
・低解像度の画像や、モザイク、墨消しなどを用いた不明瞭な画像
・・・等
■インプレッション数やクリック率にとらわれず、「ブランドの魅力」が伝わる画像を
Facebook広告の画像は、目の前のインプレッション数やクリック率といった数字にとらわれず、ブランドの価値や魅力をしっかりと表現することも大切です。
Facebook広告では、「Facebook広告マネージャー」を利用することで、インプレッション数やクリック率など、成果を数字で正確に把握できます。
★関連記事⇒Facebook広告マネージャーの活用方法と知っておきたい仕組みの知識
しかし、こうした数字ばかりを追いかけてしまうと、たとえば「クリック率を高めるために過激な画像を使用する」など、不適切な発想に陥ってしまいがちです。
もちろん、インプレッション数、クリック率、エンゲージメント数などの各種指標も度外視はできません。ですが、もっとも重要なのは、広告を通してブランドや製品の魅力をしっかりとユーザーに伝えることです。この優先順位を明確に意識して、広告画像を用意しましょう。
■多様性のある視点をもって、画像を多角的に評価することが重要
多くの場合、画像には、さまざまな解釈の余地があります。同じ画像を見ても、万人が同じメッセージを受け取るとは限りません。こうした解釈の問題は、Facebook広告の画像でもたびたび生じます。
広告主の主観としては問題が無いように思えても、他の観点から見た場合、問題のある解釈が生じてしまう場合もあります。こうした画像を使用すると広告の評価が低くなり、審査に落ちてしまったり、配信が積極的に行われなかったりと支障が生じる可能性があります。
こうした時、多様性のある視点を持って多角的な評価が行えないと、その画像になぜ問題があるのか、判断が難しくなります。
解釈の正しさに囚われず、「自分はこのような意図で画像を選んだが、他の解釈の余地は無いだろうか?」と、多角的に検討することが重要になるでしょう。
■薬機法・景品表示法などの関連法規や、アメリカの社会情勢も考慮を
Facebook広告のガイドラインやポリシーだけでなく、法令遵守も重要な観点になります。景品表示法などの国内法や、業種・業界ごとの関連法規にも配慮し、コンプライアンスを徹底した広告画像の制作を十分に心掛けましょう。
また、日本国内法だけでなく、アメリカの社会情勢も考慮に入れるほうが良いでしょう。
Facebookを運営するMeta社(旧:Facebook社)は、アメリカの企業であり、同国の社会情勢や政治的な要請に大きく影響を受ける立場になります。特に「個人的特質への言及」や「差別的表現」などのFacebook広告ポリシーは、アメリカ社会の価値観や情勢を鑑みて判断する必要があるでしょう。日本国内の観点では問題にならないと思われる画像でも、アメリカの価値観では「差別にあたる」と判断されてしまう可能性があります。
こうした観点は、広告の配信先を日本に限定している場合でも度外視されません。Meta社(旧:Facebook社)がアメリカ企業である以上、Facebook広告の運用も、"海外企業との取引である”という点を明確に意識し、グローバルな感覚を持って取り組むことも重要になります。
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Facebook広告の画像は、サイズだけでなく内容も重要
Facebook広告において、画像は非常に重要な表現媒体です。画像のサイズを配信面に合わせるだけでも、Facebook広告の各種仕様を理解し、複数の画像を用意することが望ましくなります。
また、サイズだけでなく画像の内容も重要です。Facebook広告ガイドライン、広告ポリシー、画像広告のベストプラクティス等をしっかりと確認し、適切な画像の出稿に努めましょう。
過度な表現や、誤解を招くような表現で、ユーザーのクリックを誘導するような広告手法も避けなければいけません。そうした意図が無くても、そのように見られてしまう画像になっていないか、多角的な検証も必要になります。
このように、Facebook広告の画像の作り方や選び方は、見た目以上の難しさがあります。
「運用しながらトライ・アンド・エラーでブラッシュアップしよう」と思っても、不適切な画像をそれと知らずに出稿してしまえば、アカウントが凍結されてFacebook広告の運用自体が不可能になってしまうリスクもあります。
「失敗しながら学ぶ」ことが難しい媒体なので、Facebook広告の運用をご検討中の場合、WEB広告に強いマーケティング会社等、専門家に必ず相談することをおすすめします。
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