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市場規模とは?調べ方・推計する方法・活用の仕方をわかりやすく解説

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2023年04月20日 | 更新日:2023年10月17日

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目次

新商品の企画や新規事業への参入に際して、市場規模を把握しておくことは非常に重要なポイントです。既存事業を推進する上でも、戦略の方向性を見誤らないためにも市場規模をできるだけ正確に掴んでおく必要があります。

今回は、市場規模が重要とされる理由や具体的な調べ方、推計する方法について解説します。市場規模にもとづく事業戦略の例にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

市場規模とは

市場規模とは、特定の事業分野において一定期間内に取引された金額や販売数の総額のことです。自社、競合問わず業界の総売上高に相当するのが市場規模と捉えてください。

市場規模の大小を把握することで、業界全体にどの程度の需要が見込めるかを知る手がかりとなります。また、市場規模の経時的な変化を追っていくことで、伸びている業界なのか縮小傾向にある業界なのかを掴めるでしょう。ある事業分野に新規参入したり、既存事業の今後の方向性を検討したりする際には、市場規模が重要な指標の1つとなるのです。

なぜ市場規模の把握が重要なのか

そもそも、なぜ市場規模を把握しておくことが重要とされているのでしょうか。市場規模が重要な理由として、次の3点を押さえておきましょう。

 

●理由1:売り上げの見込みを立てる必要があるため

市場は常に変化しており、同じ状態が維持される保証はありません。現状売れている商品の売れ行きが鈍ったり、新たな需要が生まれたことで別の商品に注目が集まったりすることも十分に考えられるのです。

市場規模を把握することにより、商品がどの程度売れるのか、今後も売上が伸びていくのかある程度の見込みを立てられます。とくに新規事業の立ち上げや新商品の投入時には、推定される売上を踏まえて販売計画を立てていく必要があるでしょう。市場規模を把握することは、売上の見込みを立てるために欠かせないプロセスといえます。

 

●理由2:業界全体の需要の伸びを把握できるから

市場規模が拡大傾向にあるか、反対に縮小傾向にあるのかを知ることで、業界全体の需要の伸びを把握しやすくなります。今後、需要が伸びるかどうかによって事業の大きな方向性を定められるのです。

たとえば市場規模が拡大傾向にあるようなら、設備投資の拡充や商品ラインナップの充実化を検討することもあり得ます。反対に市場規模が縮小傾向にある場合、現状通りの取り組みを続ければ次第に売上が下がっていく可能性が高いでしょう。このように、市場規模は近い将来の売上予測を立て、事業の方向性を検討する上で重要な手がかりとなるのです。

 

●理由3:事業の将来性を予測する手掛かりになるから

中長期的な事業の伸びを予測し、事業戦略を立てる際にも市場規模は重要な指標となります。現状注力している事業が今後も主力事業であり続けるのか、別の事業分野へ進出すべきなのか、意思決定の際に必ずチェックすべき指標といえるでしょう。

ある商品の売上が順調に伸びている場合でも、市場規模が全体的に拡大しているようなら自社に競争優位性があるとは限りません。競合他社も同様に売上が伸びている可能性が高いからです。市場規模を把握することは、自社が置かれた現状と今後の事業戦略を客観的に判断する上で欠かせないプロセスといえます。


市場規模の主な調べ方

市場規模を把握するには、具体的にどのような方法で調べればよいのでしょうか。市場規模の主な調べ方として、次の4通りの方法が挙げられます。

 

●官公庁が発行する資料からデータを収集する

官公庁が定期的に発行する資料には、市場規模を知る手がかりとなるデータが掲載されていることがあります。代表的な資料は次の通りです。

  • 経済産業省「統計」(工業統計調査など)
  • 財務省「法人企業統計調査」
  • 総務省「情報通信白書」

行政機関が公表する資料には出典や計算根拠などが詳細に記載されているため、信頼性が高いのが特徴です。一方で、詳細なデータが公表されている業界が限られていたり、事業規模が一定基準以上の企業のみ調査対象とされていたりするケースも少なくありません。より詳細なデータを把握するには、後述する別の調べ方も併用していく必要があるでしょう。

 

●業界団体が公表しているデータを参照する

自社が所属する業界に業界団体がある場合、各団体が公表する資料に出荷ベースのデータなどが掲載されていることがあります。業界ごとに主要な企業が調査対象となっていることから、信憑性の高いデータを得られる方法の1つです。

市場規模を知りたい業界に団体が存在しない場合は、関連性の深い業界団体の資料が参考になることもあります。仕入先や顧客など、つながりのある企業が属する業界のデータを参照していくとよいでしょう。

 

●調査会社からデータを購入する

調査会社の多くは、業界ごとの企業情報や市場規模に関するデータを保有・販売しています。市場規模を知りたい業界に強い調査会社があれば、データを購入するのも1つの方法です。

データ購入に際して費用がかかるものの、詳細かつ精度の高いデータを素早く入手できるのは大きなメリットといえるでしょう。マーケティング会社やシンクタンク、コンサルティングファームなどは、自社Webサイトで調査結果の一部を公表したり、プレスリリースに調査結果の概要を掲載したりしていることもあります。

 

●市場規模マップをチェックする

市場規模の概略を把握したい場合には、「市場規模マップ」を活用するのも有効な方法です。各業界の市場規模が面積で示され、成長率対前年比が色分けされているため、市場規模を客観的に掴むのに役立ちます。

また、隣接する業界の市場規模や、市場規模が同程度の異業種について調べることも可能です。データの出典も示されているので、出典元を調査することでより詳細な情報を得ることもできるでしょう。市場規模を大枠で捉えたい場合や、他業種の動向も含めて把握したい場合に適した調べ方といえます。

市場規模マップ

参考:市場規模マップ(https://stat.visualizing.info/msm)

市場規模を推計する方法

前章の調べ方で十分な情報を得られない場合、さまざまな手がかりを元に市場規模を自社で推計することもできます。市場規模を推計する方法について見ていきましょう。

 

●売上高と業界シェアから算出する

ある企業の売上高と、その業界におけるシェアが判明していれば、業界全体の市場規模を試算できます。計算式は下記の通りです。

市場規模=売上高÷業界シェア

たとえば、A社の年間売上高が300億円で業界シェアが20%の場合、業界規模は300億円÷0.2=1,500億円と推計できます。

また、市場に参入している企業数と1社あたりの平均売上高がわかっている場合は、以下の計算式で市場規模を算出することも可能です。

市場規模=企業数×平均売上高

一例として、業界への参入企業が約1,500社あり、各社の平均売上高がおよそ1億円であれば、1,500社×1億円=1,500億円と市場規模を推計できます。

 

●顧客数・顧客単価・購入頻度から算出する

おおよその顧客数と顧客単価、購入頻度を割り出せれば、市場規模を概算できます。計算式は以下の通りです。

市場規模=顧客数×顧客単価×購入頻度

たとえば、ある業界の顧客数が約1,500万人で顧客単価は1,000円、顧客あたりの購入頻度は年10回の場合、1,500万人×1,000円×10回=1,500億円と推計可能です。

 

●フェルミ推定を利用する

市場規模を推計するといっても、実際には限られた手がかりしか得られないケースも十分に想定できます。収集可能な情報が限られている場合は、フェルミ推定を用いて市場規模の仮説を立てるとよいでしょう。以下は、トイレットペーパーの平均的な小売価格を手がかりに市場規模を算出した例です。

 

【フェルミ推定の例】

  • 日本の総人口1億2,000万人、男女約6,000万人ずつ
  • トイレットペーパーを1回引くごとに20cm使用
  • シングル60m巻、ダブル30m巻の平均は45m
  • 男性の使用量は月に2ロール/人、女性の使用量は月4ロール/人
  • 12ロール入りの平均価格は400円程度→男性は年間2袋/人、女性は年間4袋/人を消費
  • 400円×(2+4)袋×6,000万人=1,440億円

前掲の「市場規模マップ」によれば、2009年時点におけるトイレットペーパーの市場規模は1,373億円であることから、近い数値が算出されていることが確認できます。このように、適切な推論にもとづいて算出すれば、フェルミ推定によって実態に近い数値を導くことも可能です。ただし、算出される市場規模はあくまでも仮説のため、実際の市場規模と乖離している場合がある点に注意してください。

 

●アンケート調査を実施する

アンケート調査を実施することで、簡単な市場規模の推計を行うことがもできます。市場規模を推計する手がかりが不足している場合や、予算や工数などの面から大規模な調査を実施するのが難しい場合には、アンケート調査による簡易的な推計を利用するとよいでしょう。
具体的な方法については、下記記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
>参考記事:「ネットリサーチを活用した市場規模推計のすすめ」 

市場規模にもとづく事業戦略の例

算出した市場規模を事業戦略に活用する方法について解説します。市場規模が想定よりも大きい場合・小さい場合と、市場規模が拡大傾向にある場合・縮小傾向にある場合に分けて、それぞれの活用方法を確認しておきましょう。

 

1.市場規模が大きいと判明した場合

市場規模が想定より大きかったとしても、安易に参入を決定するのはリスクが高いといえます。なぜなら、市場規模が大きいほど参入する企業も多くなりやすく、競争が激化する傾向があるからです。

市場によっては、すでにレッドオーシャンになりつつあることも想定されます。競合他社にはない自社独自の強みやメリットを打ち出し、競争優位性を確立することが求められるでしょう。既存の参入企業には見られない新たな切り口で商品・サービスを企画したり、ブランディング戦略に注力したりすることで、価格競争に巻き込まれないようにする必要があります。

 

ネオマーケティングでは、商品コンセプト創出を支援するリサーチサービスを提供しています。エクストリームユーザーと呼ばれる人を対象に調査して、インサイトを創出するというものです。
価格競争に巻き込まれない、独自のコンセプトを創り出したい方は、下記資料をぜひご覧ください。

>ホワイトペーパー:『革新的な新商品コンセプトを創り上げるサービス~INSIGHT DRIVEN~』 

 

2.市場規模が小さいと判明した場合

想定よりも市場規模が小さい場合も、工夫次第で事業を採算ベースに乗せることは可能です。すでに参入している企業が少ないニッチ市場を狙う必要があるでしょう。

ニッチ市場で成功するには、一部の消費者層から熱烈に支持される商品を投入することが大切です。決して数は多くないものの、安定的に存在するニーズはないか深掘りしていく必要があります。ただし、あまりにも市場規模が小さい場合や、限られた消費者層にしかニーズがない場合は、現実的に事業化が難しい場合もあるはずです。市場規模の算出は慎重に行い、事業として成立するかどうかを見極めましょう。

 

3.市場が拡大傾向にあることが分かった場合

市場が拡大しつつあるようなら、新たなビジネスチャンスが豊富な領域と判断できます。一見すると新規参入しやすい領域のように思えますが、長い目で見ると今後も新規参入が相次ぐ可能性の高い市場ともいえるのです。

拡大傾向にある市場に参入する際には、競争優位性を中長期的に維持できる差別化戦略を講じておく必要があります。とくに後発で参入する企業の場合、消費者にとって新鮮味のある商品・サービスでなければ既存プレイヤーの中に埋もれてしまうでしょう。商品そのもので差別化を図ることが難しい場合は、独自のブランド戦略を打ち出すなど、消費者から「選ばれる」理由を確立するための工夫が求められます。

 

4.市場が縮小傾向にあることが分かった場合

市場が縮小傾向にある場合、既存の事業を継続するだけでは売上が先細りになる可能性が高いでしょう。事業の横展開や隣接業界への進出など、これまでのノウハウや商品力を活かした新たな事業戦略を打ち出していく必要があります。

ただし、縮小傾向にある市場から撤退する企業や事業戦略の転換を図る企業が相次ぐことも予想されます。市場の縮小が一定の水準で下げ止まると予想される場合には、残存者利益を狙うのも1つの考え方でしょう。既存顧客への手厚いフォローや長年築いてきたブランドへの信頼など、自社の資産として打ち出せる強みがあれば存分に活かしていくことが大切です。

まとめ

市場規模は事業の成否や今後の売上予測を立てる際の重要な指標となります。今回紹介したポイントを参考に、市場規模の調査や推計を適切な方法で進めましょう。

市場の実態に即した推計を低予算で行うには、顧客へのアンケート調査結果を活用するのも有効な方法です。

また、市場規模を推計した後は、具体的な商品・サービスの開発に着手するかと思いますが、その場合の市場調査においてもアンケート調査は有効です。

ネオマーケティングでは、アンケート調査をはじめ、様々な調査手法を承っております。

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