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第二弾:PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ

ライター:吉原慶

公開日:2022年12月22日 | 更新日:2023年10月27日

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目次

はじめに

「ブランドが売れてない」「売り上げがどんどん下がっている」
こうしたとき、立ち返るべきはPMFです。PMFの達成はマーケットや競合、ベネフィットなど、さまざまなものが絡み合って実現するものです。
先に説明したように、PMFの大前提は、その製品がPSFを達成しているのかーー生活者の困りごとを解決する価値あるものなのかという点にあります。
そしてもう一つ重要なのが、「M」――マーケットの再確認です。その製品はいったい誰のためのものなのか? これがぼんやりしていると、売れる製品にはなりません。
多くの企業が、たくさんの人に使ってもらいたい、買ってもらいたいと考えるため、マス向けに商品やサービスを開発します。結果、誰のためのものでもない、ありきたりなものになってしまっています。
「売上が落ちている」という状況になってしまったとき。売れていない理由が特定できているのであれば、対策を講じるだけです。しかし、往々にして、売れていないものほど、なんとなく売れないものです。
売れていない理由がわからないということは、買う理由自体が明確にない、ということ。
たまたま、お店で目に入ったから。
たまたま、安かったから。
たまたま、CMをたくさん流していたから。
それまで売れていたのも、手にとる動機づけが“たまたま”なされていただけ。
日々新しい商品が登場するなかで、生活者の選択肢は増えています。選ぶ理由が特段なければ売れなくなるのも当然です。
そして、これまた多くの企業が、売上が下がったから、認知度が下がったからと、プロモーションを強化します。
しかし再び、マスの「みんな」に向けてメッセージを送っても、結局、誰の心にも「響かない」「届かない」「伝わらない」広告・プロモーションになってしまいます。結果、かなりの予算を使ったのにまったく売れない、という負のループにはまってしまいます。
解決法は、PMFの「M」――の再設定/再定義です。マスではなく、ある特定の困りごとを持っている特定の層に対して、その困りごとを解決できるソリューション、プロダクトを提供していくことです。
既存の製品だとしても再設定/再定義は可能です。購入者の多くが「なんとなく」買っていたとしても、なかには必ず、明確な理由をもって購入してくれている人はいるものです。
そんな、コアに愛着をもって買ってくれているお客様に尋ねるのです。
どうして、その商品・サービスを買ってくれているのか?
あなたにとってどんな問題を解決することにつながっているのか?
その商品・サービスでなければならない理由はなんなのか?

第二弾PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ_PTS

これらの問いに対する答えは、裏を返すと、その商品がどういう課題・困りごとを解消しているのかということでもあり、その商品が提供している価値でありベネフィットです。

共感する人がどの程度いるかは別の話になりますが、超絶ニッチなものでない限り、1人の言葉に共感する人はいるものです。

マーケットの再設定/定義は、「n=1」に戻ることで見つかります。
売れなくなった製品を、再び、同じマス向けに復活させるのは、相当なコストがかかります。また、コストをかけたところで、うまくいくかはわかりません。だとしたら、むしろ、フィットするマーケットを探したほうがいい。コアユーザーに対してヒアリングを行い、それに共感するようなコアなユーザーを増やしていきましょう。

第二弾PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ_コアユーザー

 

新商品開発の場合

もちろん、新商品の開発の際でも「PMF」の視点は欠かせません。アプローチは同じで、まずは想定ユーザーに対して課題や困りごとを聞き、PSFを達成することです。

第二弾PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ_PSF

しかし、新商品開発の場合、とくに重要となるのは「とにかくアジャイルに進める」ということです。
ユーザーの声を踏まえて、プロトタイプを作り、それに対して評価を聞き、改善をするーースピード感をもってこのサイクルを繰り返すのです。
課題を整理してからつくったほうが二度手間、三度手間を避けられる…と思うかもしれません。しかし、一般の人は実際に製品を手にしないと、良し悪しの判断はできないものです。少量でいいから試作品を作り、声を聞き、その都度改良をして仕上げるほうが、結果的にPSFする商品の開発、ローンチへの近道となります。
また、ヒアリングするときにも、注意が必要です。よくやりがちなのが、「困っていることありませんか」「不満はありませんか」といった直接的な問いかけです。
「何か欲しいものありませんか」と尋ねたところで、まったく新しい発想のものなど出てくることはほぼありません。必要なのは、先ほど説明した「未充足ニーズ」を聞きだすことです。
これだけものにあふれた社会で、「困っているけれど、それを解消する手立てがない」というものはほとんどありません。
「きれいになりたい」「やせたい」「頭が良くなりたい」「足が速くなりたい」――どんな要望に対しても、何かしら応えるものはあるものです。
しかし、悩みを解消する、望みをかなえる手段はあるけれど、その手段に不満がある、というものはまだまだあるはず。そこを見つけにいくのです。

「マス」からスモールな市場へ

まずは、マーケティング担当者自身に自問してほしいのです。
「うちの製品はどういう困りごとや課題を解決できているのだろうか?」
もし、この問いの答えをきちんと言語化できないのであれば、PMFどころか、その前段階のPSFすら達成できていないといえます。
PMFしているかどうかを確認する方法に「Sean Ellis test」があります。
これはすごくシンプルに
「明日、この商品がなくなったら生活者は困るだろうか?」という質問です。
40%以上の人が困る状態にあれば、PMFを達成している状態にあるといえます。
一方で、「他に代替品が簡単に手に入る」「なくなっても別に困らない…」というのであれば、別にあってもなくてもいい状態だということ。

Q.もしこの製品が使用できなくなった場合、どのように感じますか?

第二弾PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ_Sean Ellis Test

自社製品は生活者の課題や困りごとを解決するものーーPSFを達成できているのか?
あるいは、自社製品がPSFを達成できるのは、どこのマーケットなのか? バリューを感じてくれるのはどんな層なのか?
こうした視点を常にもっていただきたいと思います。

第二弾PMFはn=1起点でP→T→Sの流れ_PTS + コアユーザー

闇雲にマスを狙うのではなく、むしろ、市場を小さくして、その市場に確実にフィットさせるーーこれからの時代、「売れるもの」を作るにはこの方法しかないと考えています。

第三弾「PMFを実現するためのUSP・POD・CEPとは」に続く・・・

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吉原慶
WRITER
吉原慶
マーケティング会社を経て、上場企業のマーケティングリサーチ会社に移籍。 リサーチャーのチームを立ち上げ、マネージャーとして後進の育成や社内外での勉強会やセミナーの開催、新サービスの開発を担当。 2022年ネオマーケティング(エキスパートグループ)に合流し、現在はストラテジックリサーチャーとして「リサーチを起点に、デジタルマーケティング・PRグループとのシナジーを生み出す」ことをミッションにしている。

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