コレスポンデンス分析とは?分析手順と分析結果の読み解き方を解説

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2021年07月05日 | 更新日:2022年11月25日

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目次

以前のコラムの「ブランド調査とは?方法と設計ノウハウ、結果の活用について」にて、“分析のフレームワーク“のお話をしました。今回は、その中で取り上げた「コレスポンデンス分析」について、ご紹介します。

◇コレスポンデンス分析とは

コレスポンデンス分析とは、アンケート調査などのクロス集計表を2次元マップに変換する分析手法のことで、多くの情報量を要約できる分析手法です。
例えば、何かのブランドに関する消費者の態度、イメージに関する探索的な調査で得られたデータが全部で100項目あり、その100項目のデータが以下のようなクロス集計表として出力されたとします。

【ブランドとイメージのクロス表(※数値はダミー)】
①ブランドとイメージのクロス表

各イメージ項目ごとに、自社ブランドや競合ブランドの評価を把握することは非常に重要です。しかし、このクロス集計表から、自社と競合ブランドの関係性、市場におけるイメージの違いなどの結果をまとめようとしても、大変な手間がかかってしまいます。

コレスポンデンス分析のイメージ

このような場合にコレスポンデンス分析を実施すると、クロス集計表が2次元マップに変換されます。2次元マップに変換されることで、視認性が上がり、結果を解釈しやすくなります。
上記のクロス集計表の場合、コレスポンデンス分析によって「ブランド」×「イメージ」を2次元で表現することで、それぞれのブランドがどのようなイメージに近いか、市場での競合ブランドとの位置関係を直感的に理解することができます。

【コレスポンデンス分析結果(※数値はダミー)】
コレスポンデンス分析結果

◇コレスポンデンス分析の手順

それでは、前述したブランドイメージの題材を使って分析の手順を踏んでみたいと思います。

STEP1.分析目的を明確にする

自社と競合のブランドイメージからポジショニングを把握して、
競合ブランドとの差異を明らかにすることを目的とします。
なお、事前に自社と競合のブランドイメージの違いを仮説立てて調査票を設計しておくことで
分析の目的はより達成されやすくなります。

STEP2.分析対象を選定する

ブランドイメージの集計表を見て、極端にn数が小さいブランドやイメージ項目を除外します。
これは外れ値を除外する考え方と同様で、分析精度を高めることができます。
この際、「その他」や「あてはまるものはない」の選択項目がある場合も除くことを推奨します。
なぜなら、分析目的はブランドイメージの差異を明らかにすることだからです。

STEP3.統計ツールで分析する

フリーソフトの「R」や有料の統計ソフトウェアを使用して分析します。
有料の統計ソフトウェアは「SPSS」や「JMP」「SAS」「エクセル太閤」
「エクセル統計」「XLSTAT」など様々ありますが、おおよそどの統計ソフトウェアでも対応しています。

STEP4.散布図を描き分析結果を読み取る

統計ソフトウェアによっては自動で散布図まで出力してくれますが、
お持ちのソフトウェアが対応していない場合はエクセルで散布図を描きます。

前述したブランドイメージのコレスポンデンス分析結果を散布図にしたものをご覧ください。

 

【コレスポンデンス分析結果(※数値はダミー)】

コレスポンデンス分析結果

 

散布図からは、「自社ブランド」は「価格が手頃で昔からある」というイメージで、
相対的に「ブランドH」と近しいイメージを持たれていることがわかります。
自社ブランドと最も遠いポジションに位置する「ブランドA、B」は
「免疫力を高める」「品質が良い」「新しい」というイメージを持たれていることがわかります。

STEP5.分析結果を活用する

STEP4の結果から「自社ブランド」は手頃で馴染みがあり信頼感はあるが、
具体的な機能的イメージを持たれていないことが課題であると捉えました。
「ブランドA、B」は「免疫力」を強みにプロモーションをかけて売上を伸ばしており、
「ブランドC」は独自の美容成分を武器に「美容に良さそう」という
ポジションで女性の支持を得ていることからも、
自社独自の強みで差別化を図ることが急務であることを認識できました。

では、自社がどういった強みでどのようなポジショニングを目指すか、
それは本コラムの後半にある「◇コレスポンデンス分析の応用」を参考にしてください。

◇コレスポンデンス分析が可能な場合

コレスポンデンス分析はアンケートの分析を始めとする様々な場面で利用されています。

コレスポンデンス分析がよく活用されるアンケート例が図1のような、各項目についてそれぞれのイメージを取得するマトリックス形式の質問です。

【図1】
コレスポンデンス分析が可能な場合の質問

実は、クロス集計表(≒「表側」と「表頭」の形式)でありさえすれば、理論上は実現可能で、図2のアンケート文でも、コレスポンデンス分析が可能です。
この理論に基づいて、ネオマーケティングでは多様な視点からコレスポンデンス分析を実施しています。
図2の例で言えば、どの性年代の回答者がどのような趣味を持っているかを2次元マップで表現できます。例えば、男性20代はスポーツ系の趣味、男性60代は「登山」やそれに近い趣味を持っている、という解釈ができるようになります。

【図2】
コレスポンデンス分析が可能な場合の質問②

図の形でも、以下のようなクロス集計の形式になれば、コレスポンデンス分析は可能です

⑥コレスポンデンス分析が可能な場合の質問③

◇コレスポンデンス分析のメリット・デメリット

コレスポンデンス分析のメリット・デメリットを整理します。
何よりのメリットは、クロス集計分析では結果が読みきれない場合に、情報を整理することができる、ということです。
例えば、20ブランド×20項目のクロス集計表があった場合に、コレスポンデンス分析を行うことで”400情報⇒40情報”に集約できるため、結果を直感的に理解することが可能になります。

その反面、”400情報⇒40情報”に情報ロスするデメリットがあります。
 ※40情報=20ブランド+20項目がマップにプロットされます。
また、ポジショニングは分かりますが、どのイメージがターゲットに好まれるのかという、選好性は不明なため、どのポジショニングが最も好まれているかは判断できません。

■メリット
●2つ(以上)の変数の関係を分析する方法
~クロス集計分析では結果が読みきれない状況
~クロス集計結果よりももっと簡単にまとめたい状況
●結果を散布図(マップ)に表現し、直感的に理解する方法
●ポジショニングがわかる

■デメリット
●情報ロス
●選考が不明

◇コレスポンデンス分析のデメリットの解決方法

情報ロスの解決方法としては、「コレスポンデンス分析の結果」と「元のクロス集計表」の両方を確認することです。決して、コレスポンデンス分析だけで判断しないことが重要です。
選好が不明であることへの解決方法には「選好マップ」というものがあります。

【詳細情報(詳細把握が可能)】
⑦コレスポンデンス分析結果 400個のデータ

【まとめ情報(全体把握が可能)】
コレスポンデンス分析_40個のデータ

★コーヒーブレイク ~情報ロスについて~

本をイメージしてください。本の全文を要約すれば、情報量としては少なくなります。当たり前ですが、それが情報ロスです。
情報ロス自体が良いか悪いかについて質問を受けることが多いですが、情報ロス自体を良いか悪いかで考えてはいけません。
本を要約すること自体を、良いか悪いかでは考えないですよね。
それと同じで、要約することで情報ロスが起こる一方で、多くのメリットも享受できます。つまり、一長一短というわけです。

先程お伝えした“「本の全文(≒元のクロス集計表) 」と「本の要約文(≒コレスポンデンス分析の結果)」の両方を確認すること”が、要約による情報ロスを極力排除する行為なのです。


要約による情報量変化

◇コレスポンデンス分析の解釈方法

コレスポンデンス分析の解釈は、「軸」と「距離」という概念に整理されます。それぞれについて説明していきます。

●軸:
軸に意味づけをすることで、結果の解釈がしやすくなります。
今回のケース(図3)では、健康美容⇔味、馴染み⇔品質といった軸が読み取れます。
そして、健康美容と馴染みの間のポジションには、どのブランドも布置されていないため、ポジションが空いていることが分かります。
ただ、軸の意味付けは、主観的であるため、無理に実施する必要はありません。
(下の図では、「自社ブランド」は「価格が手頃」が近く、「品質が良い」が遠いといったことが分かります。)

【図3 各ブランド認知者 ※数値はダミー
コレスポンデンス分析の解釈方法

距離:
X軸とY軸の座標に数値的な意味はありません。MAP上で距離が近いものは、相対的に関連が強い(似ている)ことを示します。逆に、距離が遠いものは、関連が弱い(似ていない)ことを示しています。マップの中心付近には平均的なイメージ(いずれにも備わっているイメージ)が布置されます。

つまり、軸は主観的に意味づけを行いましたが、距離は客観的で、距離から解釈を進めていくイメージです。
図3においては、「自社ブランド」は「価格が手頃」が近く、「品質が良い」が遠いといったことが分かります。

◇コレスポンデンス分析の応用

次に、各ブランドの認知者と主飲者(今回例として活用しているのは飲料ブランドの例)でコレスポンデンス分析を実施してみます。
すると、それぞれ下記の内容を知ることができます。

1 各ブランドの認知者(非飲用者を含む)は、どのようなイメージを各ブランドに持っているか
⇒各ブランドのイメージポジションの理解

2 各ブランドのロイヤルユーザー(主飲者)は、どのようなイメージを各ブランドに持っているか
⇒各ブランドの価値理解

2の“各ブランドの価値理解”とは、その名の通り、ブランド価値を理解することです。
ブランドの価値≒ロイヤルユーザーの持つブランドイメージとします(ここでは、ロイヤルユーザー≒主飲者としています)。ブランド主飲者の持つブランドイメージこそ、ブランドの価値と表しているためです。例えば、プレミアムビールの主飲者は「ご褒美」のイメージが高かった場合、プレミアムビールの価値は「ご褒美」となるわけです。
一方、“認知者の持つブランドイメージ”は主飲者ではないので、価値とまでは言えません。あくまでも、一般的な人に対して、ブランドがどう思われているかになります。
この一般的な人に対して、ブランド価値を伝われば、主飲者化する可能性があります。

そこで、各ブランド認知者の分析と、各ブランド主飲者の分析の違いを見て、各ブランドの主飲者化させる要因を探ります。

【<図3>各ブランド認知者 ※数値はダミー
コレスポンデンス分析の解釈方法

【図4 各ブランド主飲者 ※数値はダミー】
コレスポンデンス分析の解釈方法

図4の各ブランドの主飲者になると、「価格が手頃」だけでなく、「美容に良さそう」「栄養量が多い」といったものと近くなります。
つまり、自社ブランドは主飲者(図4)になると、図3の認知者では、ポジションの空いていた“健康美容と馴染み”をポジション獲得に成功していることが分かります。
したがって、これが主飲者にたらしめる要因と考えられ、ブランド非主飲者に対して、主飲者が感じている“健康美容”の価値を訴求することが次の一手になりそうです。

◇終わりに

以上がコレスポンデンス分析の説明になります。
本コラムでは、コレスポンデンス分析について説明しました。当社では、コレスポンデンス分析の実施から、更には分析結果の活用のご提案まで行っています。調査についてご興味のある方は、是非お気軽にお問合せください。

お問合せ:https://neo-m.jp/

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