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アンケート調査の設計のやり方とは?ポイントを3ステップで紹介

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2021年06月17日 | 更新日:2023年10月23日

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目次

データ運用が重要視されている現代、マーケティング活動においても、アンケート調査は非常に身近で有用な手法のひとつです。ネオマーケティングではクライアントからの依頼に対し、ヒアリングを重ねながら適切なアンケートを設計していきます。そのとき、データ収集のプロであるリサーチャーはどんなポイントをチェックしているのか、今回は調査設計に大切な3ステップを紹介します。

アンケート設計の3ステップ

アンケートの調査票を作成するにあたっては、①知りたいこと、確かめたいことが何なのかの仮説を立て、②その対象は誰なのか? ③何を聞けばいいのか? これらを形にしていきます。

 

ステップ1:調査の目的を明確にする

アンケートは何かしらの意思決定のために用いられ、アンケートで集めた調査結果は意思決定の証拠・根拠として用いられます。目的と仮説が曖昧なままだと、論拠と言い得ないデータが手に入ってしまい、意思決定ができなくなってしまいます。


商品開発においてニーズを探るのか?ブランドの浸透度を知りたいのか?広告の効果を検証するのか?
リサーチをする目的をはっきりさせ、その上で、その目的に対する問いに、どのような結果が返ってくるのかの仮説を立てておくことが重要です。(例:●●といった人達にニーズがあるだろう、他ブランドと比して自ブランドは認知⇒購買の部分に課題があるだろう、CMによって●%の人の認知形成に寄与しただろう、等)

 

ステップ2:調査対象を決める

次に考えるのが、調査対象です。今の時代、性別や年齢のみの括り等、大きな属性の切り口で(あるいは大きな市場が見えていて)ターゲットを設定し、成功を収めることは難しくなってきました。想定するユーザー像はどういう人なのか? どんな人に回答してもらいたいのかを、具体的に落とし込んでいきます。


例えば、20代女性をターゲットに化粧品についてアンケート調査をするならば、コスメに対して強いこだわりを持っている層なのか? あるいは、経済的に余裕はないけれど、品質は重視する層なのか?もっと言えば、社会人若手女性のみ対象で、ストレスを吹き飛ばせる夜間ケアを重視する層なのか?などと細かい設定もあり得ます。この調査対象が明確でないと、出てきたデータが本当に聞きたかった人たちの姿を表しているとは言い切れなくなってしまいます。また、あえて対となる層のデータも取得して比較して差を見ることも推奨します。

 

ステップ3:設問を設計する

目的・仮説、そして調査対象が明らかになったら、設問を立てていきます。仮説がしっかりしていないと調査設計はできませんが、仮説がしっかりしていても設問設計が適切でないと、活かせるデータを取得することができません。

設問内容を考える際は、5W3H――誰が(who)、何を(what)、いつ(when)、どこで(where)、なぜ(why)、どのように(How)、どのくらい(How much /How many)――の質問の基本に立ち返ると良いかもしれません。これらの網羅は、回答者を取り巻く環境や状態の把握にあたって、有効に働くことが多いです。

ある程度、設問案がまとまってきたら、知りたいことが入っているか?それでいて、同じような質問が繰り返されていないかをチェックしていきます。「MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)」の視点です。※MECEは「モレのない、重複のない」ことで、ロジカルシンキングの基本となる概念です。

ただし、モレなく聞きたいと思うあまり、設問を増やしてしまうと矛盾点が出て知りたいことが見えにくくなったり、設問数が多すぎて回答者の回答が投げやりになったり、といった弊害もあります。
より実態を表したデータを集めるためには、回答者が答えやすいよう、シンプルな問いかけで、それでいて設問の数はできるだけ絞り、適切な回答形式を用いることが大切になるのです。

しかしモレのない設問でかつ、重複なく網羅できているかをご自身で確認することは難しいものです。例えば回答形式1つを取っても、単一回答(SA)、複数回答(MA)、5段階評価(そう思う・ややそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない)、11段階評価(0点から10点までの点数化)、SD法、自由回答(FA)など、その設問の仮説・目的に合った様々な形式があります。設計がしにくい際には、無理にマトリクス化(表組み設問化)やマージ等は試みずに、シンプルに設問を組み立てていきましょう。

上述の組み立てが出来る方であれば、設問形式を選択する際に、より効率よく情報を得る問いができないかも考えていくことをお勧めします。
例えば、外食について聞きたいとき、「あなたは最近1か月で外食をしましたか?」と、YES/NOの二択で聞くだけでなく、この質問を「あなたは最近1か月で外食をどの程度利用しましたか?」という問いかけにし、選択肢のなかに「週5回」「週2~3回」…「利用していない」を入れることで、「利用したか/していないか」だけでなく、外食頻度も知ることができます。(仮に設問がYES/NOの二択を得ることが目的であったとしても付帯情報としての取得を、1度は確認させていただいております。)こうした工夫は、同じ設問数での設問設計において、より多くの情報を集められるようになる秘訣となります。

最後に、設問案が確定してきたら、データ取得後の活用方法を全設問で振り返ってみましょう。データは取得するだけでなく、活用できて初めて価値を持つため、必ず1度は設問ごとのデータの活用方法を再確認することを推奨します。もしも活用方法がわからない設問があったならば、その設問をこしらえた目的や背景から、今一度洗い直してみることが必要でしょう。

より有用なデータをとるために

以上の3ステップが大きな流れになりますが、まだチェックすべきポイントはあります。

 

①隠れた因子

統計の分野ではよく語られる例の1つを挙げます。
アイスクリームが売れる日についてデータを集めたところ、晴れの日の売上が多く、雨や雪の日は売上が少ない、という結果が出ました。「アイスクリームは晴天に売れる」という結果なのですが、この解釈の半分は正解で、半分はハズレだと言えるでしょう。天気だけでなく、間違いなく”気温”の影響が大きいはずです。
こうした、本来そこにあったが認識されていなかった”何か”からの影響が、データとして出なくなってしまう設計になっていないかの確認や想像も、出来る限りした方が良いでしょう。個人の見え方のみではこうした錯覚が生じる可能性があるため、複数人での議論が有効です。

 

②比較の必要性

また、調査の目的によって、比較対象が必要かどうかも考えていきます。
たとえば、20代男性を対象に調査を行ったとき、ある質問に100%という回答が出たら、極めて強い特性だと判断してしまいそうです。しかし、その問いに対して実は40代男性もまた100%の回答が出るとしたら、20代男性の特性とは言えません。
逆に、20代男性の回答が30〜40%で見過ごしがちな結果だとしても、40代男性にはほとんど該当しないことだとしたら、着目すべきポイントになります。精緻な比較をすることで、見落としがちな本当の特徴が見えてくることがあります。

想定外の結果にも意味がある

このように設計した調査を実施した結果、出てきたデータが想定とは異なっていたり、仮説が覆されたりするケースはもちろんあります。たとえば、自信をもって味を改善した新商品と既存商品の味を比べてもらったところ、大多数が変化を感じてなかったという結果が出たら、そのショックは相当なものでしょう。しかし、想定外の結果だとしても、その調査結果に価値がない、ということとイコールではありません。
思っていたほどの評価を得られなかったら、開発の方向性を修正することができますし、ひいては会社としての大きな失敗や損失を未然に防ぐことにも繋がるでしょう。
リサーチを行なう大前提として、望んだデータが出ることが企業やプロジェクトにとって、必ずしも好ましいことではないし、目指すものでもない、ということをお含みおきください。

最後に

良質なデータというのは、事実の断片を確実に正確に示してくれるデータのことだと言えます。より確からしい事実を把握するためには、良質な調査設計が必要不可欠です。
また取得したデータは確認して終わるのでなく、次にどのような行動を取っていくかを考える材料であるとも心得ましょう。客観性のあるデータが手元にあれば、次ステップで外さない行動を狙って取ることができるでしょう。
ネオマーケティングでは、専門の知識を有したスタッフが調査票の設計・監修を行ない、こうした調査票の悩みをサポートしております。

ネオマーケティングは国内約2450万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。

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